スマートリモコンを探していると、必ず候補に上がるのがSwitchBotのハブシリーズです。現在のラインナップには「ハブミニ」、「ハブミニ(Matter対応)」、「ハブ2」、「ハブ3」の4モデルが揃っていて、価格帯も機能も大きく異なります。「どれを選べばいいかわからない」と感じるのも当然です。
筆者自身、ハブミニから使い始め、のちにハブ3へ乗り換えた経験があります。この記事では、その過程で感じた各モデルの違いを踏まえながら、それぞれの特徴を整理しました。
SwitchBotハブで何ができる?
SwitchBotハブは、Bluetoothで動作するSwitchBot製品をWi-Fi経由でリモート操作できるようにする「スマートホームの中継器」です。
ハブがあることで、外出先からでも備え付けのエアコンや照明を操作したり、時間や室温に合わせて家電を自動で動かすことができるようになります。
これ1つがあるだけで、いま使っているテレビやエアコンなどの赤外線リモコン対応家電をスマホで操作できます。物理リモコンが増えてごちゃごちゃしている場合、ハブひとつでかなりすっきりします。
全モデル早見表
| ハブミニ | ハブミニ(Matter対応) | ハブ2 | ハブ3 | |
|---|---|---|---|---|
| 外観 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| スタイル | コンパクト・白黒・コンセント挿し | コンパクト・白黒・コンセント挿し | コンパクト・白・壁掛け可 | 大型・黒・卓上置き型 |
| 価格(目安) | ¥4,400〜 | ¥5,980 | ¥9,980 | ¥16,980 |
| 発売時期 | 2020年〜 | 2024年1月 | 2023年3月 | 2025年5月 |
| USBポート | Micro USB | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
| 赤外線範囲 | 標準 | 標準 | ハブミニの約2倍 | 広範囲 |
| 温湿度センサー | なし | あり | あり | あり |
| 照度センサー | なし | なし | あり(本体内蔵) | あり(本体内蔵) |
| 人感センサー | なし | なし | なし | あり(本体内蔵) |
| ディスプレイ | なし | なし | 小型(温湿度表示) | 2.4インチ(多項目表示) |
| 物理ボタン・ダイヤル | なし | なし | タッチボタン×2 | ダイヤル+ボタン×4 |
| Matter対応 | なし | ○ | ○ | ○(他社デバイス操作も可) |
| Matterサブデバイス上限 | ─ | 最大4台 | 最大8台 ※1 | 最大30台 |
| Apple HomeKit対応 | なし | ○ | ○ | ○ |
| ストリーミングデバイス操作 | なし | なし | なし | Fire TV・Apple TV等 |
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※ 温湿度センサーはハブ2・ハブ3ともに付属ケーブル搭載式。照度センサーと人感センサー(ハブ3のみ)は本体内蔵。
※1:ハブ2の8台にはハブ2自身の温湿度センサー(温度・湿度で2台分)が含まれる。外部デバイスの追加は基本6台まで(自身のセンサーをAppleホームから削除することで最大8台まで外部デバイスを追加可)。
ハブミニ(旧型)|Matter非対応の最安値モデル
ハブミニの旧型は、2020年から販売されている初代モデルです。Matter対応版が登場した現在も公式サイトで販売は継続されており、Amazonなどでは¥4,400前後で入手できることもあります。
機能はシンプルで、赤外線リモコンの一元管理・外出先からのリモート操作・スケジュール(タイマー)機能が中心です。
また、時間ベースのシンプルなタイマー機能を単体で設定できる点は旧型ならではの特徴です。Matter対応版ではこの機能が省かれているので、同じことをするにはアプリ上のオートメーション設定が必要になっています。
給電端子がMicro USBである点は今となっては古く、ケーブルの流用がしにくい場面もあります。また、Matter規格には今後も対応しないとSwitchBotが公式に明言しており、Apple HomeKitや他社スマートホームとの連携は原則できません。Alexa・Googleアシスタントとの連携は可能です。
- 向いている使い方:コスト最優先・Matter連携が不要・複数台を安価に増設したい
弱み|Matter非対応は今後の拡張性に影響する
iPhoneのホームアプリ(HomeKit)を使いたい場合、旧型ハブミニでは対応できません。SwitchBotアプリを使えばiPhoneでも操作はできますが、毎回このアプリを開かなければ操作できないのは少し面倒と感じる人もいるかもしれません。スマートホームを長期的に広げることを考えるなら、Matter対応版以上を選ぶほうが将来的な拡張に対応しやすいです。
ハブミニ(Matter対応)|HomeKit対応の最安値エントリーモデル
2024年1月に発売されたMatter対応版のハブミニです。外観は旧型とほぼ同じですが、USBポートがType-Cになり、Matter設定用のQRコードシールが追加されています。
さらに、Matter対応により、Apple HomeKitとの連携が可能になりました。iPhoneのホームアプリからSwitchBot製品を操作したり、HomePodやApple TVをホームハブとして組み合わせたりできます。
ただし、HomeKitでMatter連携するにはHomePod・HomePod mini・Apple TV 4KなどApple製のホームハブが別途必要です。ハブミニとiPhoneだけでは使えない点は注意が必要です。
- 向いている使い方:HomeKit連携を安価に始めたい・2台目以降の増設・Matter連携のエントリーポイント
強み|Matter対応の最安値エントリーポイント
Matter対応モデルの中で最も価格が低く、HomeKit連携を試す入口として手を出しやすいモデルです。センサーは別売りケーブルで補える点も評価できます。
弱み|タイマー機能なし、Matterサブデバイス上限4台
Matterで登録できるデバイス数は最大4台と、ハブ2の8台・ハブ3の30台と比べてかなり少ない点は注意しておきましょう。
ハブ2|センサー+赤外線強化の実力バランスモデル
ハブ2は2023年3月に発売され、ハブミニの実用性を大きく高めたミドルレンジモデルです。付属ケーブルに温湿度センサーを搭載しており、室温や湿度をトリガーにしたオートメーションが実現できます。本体には照度センサーも備わっており、明るさを条件にした自動化も可能です。これらのオートメーションが外部センサーなしで完結する点は、ハブミニ系との大きな差です。
赤外線の通信範囲はハブミニの約2倍に拡張されており、リビングのような広めの部屋でも1台でカバーしやすくなっています。壁掛けのエアコンやテレビへのリモコン操作の成功率という観点でも、ハブミニより有利です。
本体にはタッチボタンが2つ搭載されており、よく使うシーン(一斉消灯・帰宅モードなど)をボタンに割り当てておけば、スマホを開かずに実行できます。小さながらもディスプレイがあり、現在の室温・湿度をすぐ確認できます。
筆者がハブミニを使っていた時期、「温度センサーと連携したオートメーションを試したくなった」のが買い替えを検討したきっかけのひとつでした。ハブ2があれば、外部センサーなしで完結できた場面がかなりありました。
強み|コスパ・実用性のバランス
温湿度センサー・Matter対応・赤外線強化・タッチボタンと、スマートホームの実用的な機能がこの価格帯で揃っています。MatterサブデバイスはAppleホーム上で最大8台まで登録できますが、ハブ2自身の温湿度センサーが2台分を占めるため、外部デバイスは基本6台が上限です(ハブ2のセンサーをAppleホームから削除すれば最大8台まで外部デバイスを追加可能)。
弱み|人感センサーなし、ディスプレイ表示が限定的
人の動きを検知して家電を操作する機能はありません。ディスプレイも温湿度表示に限られており、天気・CO2濃度・ロック状態などをひと目で確認したい場合はハブ3が必要になります。
ハブ3|センサー・ディスプレイ・操作性を統合したフラッグシップ
ハブ3は2025年5月に発売された現行最上位モデルです。単なるスマートリモコンを超えた「部屋の情報ステーション」として機能します。
最も目を引く変化は、2.4インチのディスプレイとDial Master™と呼ばれるダイヤル操作機構の搭載です。ダイヤルを回すだけでエアコンの設定温度を1℃単位で調節したり、照明の明るさを10%ずつ変えたりできます。スマホを取り出さずに操作できる体験は、これまでのハブシリーズにはなかったものです。
ディスプレイには温度・湿度に加え、日付・時刻・天気予報・CO2濃度・玄関のロック状態(SwitchBotロックとの連携が必要)など多くの情報を表示できます。
人感センサーを内蔵している点も大きなポイントで、「人が部屋に入ったら照明をON」「部屋に誰もいなくなったらエアコンをOFF」といったオートメーションが単体で実現できます。
筆者がハブミニからハブ3に乗り換えた理由は、主に人感センサーとディスプレイの存在でした。以前は「スマホを確認する」という手間が無意識にあったのですが、ハブ3のディスプレイがある場所を通るだけで室温や天気が把握できるようになり、日常の中での小さなストレスが減った感覚があります。
強み|操作の一元化と情報の可視化
ダイヤル・4ボタン・大型ディスプレイが揃っており、スマホを使わなくてもハブ3本体だけで多くの操作が完結します。家族全員が使うリビングなど、全員がアプリを持っているわけではない環境でも操作しやすいのは実用的な強みです。
弱み|サイズ・価格・設置の制約
本体が一回り大きく重いため、コンセント直挿しではなく卓上設置が基本になります。「高い位置に壁掛けして赤外線を広角に飛ばしたい」という用途には向きません。価格もハブ2の約1.7倍であり、機能の差が価格差に見合うかどうかは使い方次第です。また、2.4GHz帯のWi-Fiのみ対応しているため、バンドステアリング機能があるルーターを使っている場合は設定の調整が必要になる場合があります。
おすすめの選び方
コスト最優先なら|ハブミニ(旧型)
Matter連携が不要で、とにかく安く赤外線リモコンを一元化したい場合に候補になります。ただし今後のスマートホーム拡張でApple HomeKitや他社デバイス連携を考えるなら、Matter対応版に切り替えることを前提にしておいたほうがよいでしょう。
HomeKit連携を安価に始めるなら|ハブミニ(Matter対応)
Matter対応かつ最安値で始めたい場合におすすめのモデルです。
ただし、HomeKit連携にはApple製ホームハブ(HomePodやApple TV 4K)が別途必要なので、事前に確認しておきましょう。
センサーとコスパのバランスなら|ハブ2
スマートホームをある程度本格的に使いたい、でもハブ3ほど機能は要らない、という場合はハブ2が最も選びやすいモデルです。
温湿度・照度センサーによるオートメーション、赤外線の強化、タッチボタンと、実際の使用場面で困ることが少ない機能セットです。「迷ったらハブ2」という評価が多いのも納得できます。
操作性・情報量・人感センサーを重視するなら|ハブ3
「スマホを開かずに部屋の状態を把握したい」「人感センサーで照明・エアコンを自動化したい」「Fire TVやApple TVのリモコンも統合したい」という場合は、ハブ3が唯一の選択肢になります。価格は高めですが、スマートホームを長期的に深く活用したい場合には投資する価値があります。
よくある質問
ハブミニとハブミニ(Matter対応)、何が違う?
大きな違いはMatter対応の有無です。Matter対応版はApple HomeKitと連携できる一方、旧型にあったシンプルなタイマー機能が省かれています。USBポートも旧型はMicro USB、Matter対応版はType-Cに変更されています。今から購入するならMatter対応版をすすめますが、コスト最優先かつHomeKit連携が不要であれば旧型も選択肢になります。
SwitchBotハブがなくても使える製品はある?
SwitchBotのBluetoothデバイス(ボット・カーテン・温湿度計など)は、スマートフォンが近くにある状態であればハブなしでも動作します。ただし、外出先からの操作や時間・センサーによる自動化にはハブが必要です。
全モデル2.4GHz帯のみ対応でいいの?
いずれも2.4GHz帯のWi-Fiのみ対応しています。5GHzと2.4GHzを自動で切り替える「バンドステアリング」機能付きのルーターを使っている場合、接続に失敗することがあります。その場合は2.4GHz専用のSSIDに固定するか、バンドステアリングをOFFにする必要があります。
ハブ2からハブ3への買い替えは必要?
ハブ2で快適に使えているなら、急いで乗り換える必要はありません。人感センサーによるオートメーション・大型ディスプレイ・ダイヤル操作・ストリーミングデバイス対応のどれかに強い需要がある場合に乗り換える価値が出てきます。
iPhoneユーザーはどのモデルを選ぶべき?
旧型ハブミニ以外の3モデルはMatter対応のため、Apple HomeKitと連携できます。ただしHomeKit連携にはApple製ホームハブ(HomePod・Apple TV 4Kなど)が別途必要です。他社のMatterデバイスをハブ経由で操作したい場合はハブ3が必要になります。
複数台設置するならどれが良い?
メインのリビングにはセンサー付きのハブ2またはハブ3を置き、寝室や別の部屋の補助用途にはハブミニ(Matter対応)を追加する、といった組み合わせがおすすめです。コスト優先かつMatter連携が不要な部屋には旧型ハブミニもアリです。
まとめ|目的で選べば後悔しない
- 旧型ハブミニはコスト最安値だがMatter非対応。今後の拡張を考えるなら慎重に
- ハブミニ(Matter対応)はHomeKit連携の最安値。画面表示がいらないならこれがおすすめ
- ハブ2はセンサー搭載・赤外線強化・タッチボタンを備えたバランスモデル
- ハブ3はダイヤル操作・人感センサー・大型ディスプレイを統合した最上位機。スマートホームを本格活用したい人向け
- 全モデル2.4GHz帯Wi-Fiのみ対応。バンドステアリング設定の確認が必要
価格差が大きい4モデルなので、「自分が何を実現したいか」を基準に選ぶのがいいでしょう。
赤外線リモコンの一元管理だけが目的ならハブミニで十分で、iPhoneを使ったHomeKit連携まで視野に入れるならMatter対応版のハブミニがおすすめです。
さらに、画面表示がほしいならハブ2またはハブ3を選びましょう。
センサー連携まで本格的に使いたいならハブ2、かっこいいデザインの本体で操作体験をアップグレードしたいならハブ3がおすすめです。















