Appleの定番イヤフォンといえば、AirPodsとAirPods Pro。
それぞれどのような違いがあるでしょうか?それぞれの製品はどのような人におすすめでしょうか?
Ringo Magazine編集部が実際に購入して、それぞれの特徴と機能を徹底的に比較しました。
基本的な特徴と価格の比較
AirPods(第3世代)
2024年時点で最新のAirPods(第3世代)は、2021年10月に発表されました。初代AirPodsが発表された2016年から約5年後のことです。
AirPodsは、イヤーチップのないインナーイヤー型です。最新のAirPodsは、ステムが短く変更されたことで、かつて「うどん」のようだと揶揄されたデザインが、AirPods Proの形状に近づきました。この形状は、Appleによると「快適に使うのにちょうど良い角度」として研究の結果生まれたといいます。
このAirPodsは、H1チップを搭載し、アダプティブEQ機能を提供します。これにより、低周波数と中周波数を自動で調整し、最適なサウンドが楽しめます。また、空間オーディオを搭載することで、音源が頭の動きに追従します。さらに、新しい皮膚検出センサーにより、AirPodsを耳から取り外すと再生が自動的に一時停止します。
バッテリー寿命は1回の充電で最大6時間の再生時間または4時間の通話時間が可能です。急速充電機能により、5分間の充電で1時間分のバッテリー寿命を蓄えることができます。
AirPods Pro(第2世代)
2024年時点で最新のAirPods Pro 2は、2022年9月に初めて発表され、2023年9月に機能を加えてリニューアルされました。初代AirPods Proが発表された2019年10月から3年後に第2世代が登場し、4年後にリニューアルされたことになります。
2023年の変更のうち最大のポイントは、充電端子がLightningポートからUSB-Cポートへと変わったことです。また、ロスレスオーディオ圧縮技術により、Apple Vision Proを使うときに最高品質の音源を楽しむことができるようになりました。さらに、防塵性が加わり、IPX4からIP54に引き上げられました。
AirPods Pro 2は、シリコン製のイヤーチップを備えたイヤーカナル型です。このAirPods Pro 2は、H2チップを搭載し、優れたアクティブノイズキャンセリングが可能となりました。外部音取り込みモードは、カナル型イヤフォンでありながら、周囲の環境音にも注意を払えます。
AirPods Proを差別化するさらなる特徴は、物理的な音量の調整機能です。ステムのタッチセンサーを上下にスワイプすると音量調整ができるため、耳元だけで必要な操作がほぼすべて可能です。
バッテリー寿命は、1回の充電で最大6時間持続します。付属の充電ケースは、前のモデルよりも6時間多い合計30時間の再生時間を提供します。また、「探す」アプリを使って充電ケースのスピーカーから音を鳴らすことができます。
AirPodsとAirPods Proの比較
AIrPods(第3世代)とAirPods Pro(第2世代)の特徴を見てみましょう。
特徴 | AirPods | AirPods Pro |
---|---|---|
形状 | 耳に引っかけるインナーイヤー型 | 耳に差し込むカナル型 |
装着感 | 圧迫感が少なく、長時間使用しても耳が痛くなりにくい。 | フィット感に優れていて外れにくい。密閉性が高く、音漏れしにくい。 |
チップ | H1チップ | H2チップ |
適応型オーディオ | × | 周囲の環境に応じて音を自動調整 |
ノイズキャンセリング機能 | × | 周囲の騒音を自然に遮断 |
外部音取り込みモード | × | 周囲の音を取り込める |
会話感知 | × | 会話時に音量を自動調整 |
防水・防塵性能 | 耐汗耐水性能 | 耐汗防水性能と防塵性能 |
コントロール | 感圧センサー搭載。 再生 / 停止、スキップなどを操作可能。 | タッチコントロール搭載。 再生 / 停止、スキップ操作に加えて、センサーをスワイプして音量調整可能。 |
バッテリー | 1回の充電で最大6時間の再生 | 1回の充電で最大6時間の再生 |
充電ケース | Lightning充電ケースまたはMagSafe充電ケース | USB-C&MagSafe充電ケース。操作音が鳴るスピーカー搭載。 |
価格 | Lightning充電ケースが26,800円(税込) MagSafe充電ケースが27,800円(税込) | 39,800円(税込) |
AirPodsは「外出時に気軽に使いたい人」向き
軽くて自然な装着感で長時間の着用もOK
AirPods(第3世代)は、長時間つけていても耳に違和感がないような、軽い付け心地です。
実際に筆者が使ってみたところ、約8時間ほぼ連続で装着していても、イヤフォンによる耳への圧迫、違和感や痛みを感じることはまったくありませんでした。ただ耳に引っかけるだけなので、マスクをつけ外す動作をするような場合には、ステムが引っかからないように注意が必要です。しかし、相当激しい動きをしなければ外れることはなく、快適な付け心地で過ごせるのが特徴でしょう。
環境音が遮られず外出時も安心
AirPods(第3世代)は、周囲の音を遮ることのないインナーイヤー型の特性を保ちながら、Appleが提供する高水準の音質を楽しめます。 たしかにAirPods Pro(第2世代)の「外部音取り込みモード」もかなり高性能ではあります。しかし、AirPods(第3世代)を使用しているときと比べると、AirPods Pro(第2世代)では周囲の音の聞こえ方に違和感を覚える人がいるかもしれません。
筆者は、AirPods(第3世代)と、外部音取り込みモードにしたAirPods Pro(第2世代)をそれぞれ装着して外出しました。いずれの場合も緊急車両のサイレンなどの大きな音は十分に聞こえます。しかし、AirPods Pro(第2世代)では、周囲の人の足音や、遠くの自転車のベルなど、小さい音はあまり反映されないように感じました。他方で、AirPods(第3世代)は、耳の隙間から周囲の音が直接的に聞こえます。 ですから、車や自転車の通行量が多い道沿いを歩くとき、夜道を歩くときなど、周囲の音に警戒が必要な環境で使う機会が多いなら、AirPods(第3世代)がおすすめです。
AirPodsが適しているユーザーとは
- 耳への圧迫感が苦手な人
- 主に屋外への外出時、歩行時や走行時にイヤフォンを使用したい人
- 手軽にAppleの高音質なイヤフォンを使いたい人
AirPods Proは「屋内で作業に集中したい人」向き
環境音を遮断し集中して作業できる
AirPods Pro(第2世代)は密閉性が高いため、周囲の環境音が驚くほど静かになります。これにより、ちょっとした生活音や周囲の会話などがシャットアウトされるため、作業時に集中力を高めてくれるでしょう。
実際に筆者が使ってみた感想としては、作業時にAirPods Proを装着すると、これまで周囲にどれほど多くの雑音があったかに驚かされました。基本的に人は音に敏感ですから、ちょっとした音で集中力が途切れる場合があります。しかし、AirPods Pro(第2世代)のノイズキャンセリング機能により、目の前の作業への集中力が高まることが実感できます。
さらに、一般的に人がストレスを感じずにいられる騒音レベルは50dB以下とされています。屋外の車の走行音(60dB〜80dB)はもちろん、オフィス内の会話音(60dB)やエアコンの稼働音(50dB)などの不要な音を遮断することで、不快感をなくし、日々のストレスレベルを緩和してくれます。
筆者は以前、夜の方が集中して作業できると感じていました。しかしこれは、一般的に夜は周囲の騒音が少ないことにも理由があったかもしれないと思います。AirPods Proを使いはじめてからは、昼間も夜間と同様に集中力を維持しやすくなりました。
ですから、「静かな夜のほうが集中できる」と感じる方は、ぜひAirPods Proを導入してみてください。作業の質が向上し、よりよいパフォーマンスを発揮できる可能性があります。
すべての操作がAirPods Pro本体で完結できる
AirPods Pro(第2世代)には、タッチコントロールセンサーが搭載されています。これにより、音量調整が本体の操作だけで簡単にできるようになりました。つまり、iPhoneやiPadなど、デバイス本体の操作ボタンに手を伸ばす必要なく、再生や一時停止、早送りや音量調整など、およそAirPodsで必要な操作がすべて耳元で可能です。
小さな変化ではありますが、イヤフォンを使う機会が多い人にとっては、利便性が大きく向上したといえるでしょう。
AirPods Proが適しているユーザーとは
- 周囲の騒音や雑音を遮断して集中したい人
- 音楽などのメディアを高音質で楽しみたい人
- 高い操作性がほしい人
- 水や汗に強いイヤフォンが欲しい人
- 屋内など環境音を取り込む必要が少ない状況で使いたい人
どんな環境で使いたいかで選ぼう
AirPods(第3世代)とAirPods Pro(第2世代)を選ぶにあたって最も重要なのは、「AirPods Proのほうが価格が高いからベターな選択とはかぎらない」ということです。
あなたはAirPodsをどのような状況で使いたいですか?
外出時に使うことが多く、耳の圧迫感が苦手な方は、AirPods(第3世代)を選ぶほうがいいかもしれません。
他方で、主に屋内で使うことが多く、環境音の遮断性を求める方は、AirPods Pro(第2世代)がより適している可能性が高いでしょう。
これら2つのAirPods製品は、実際の使用感がかなり異なるため、使用したいシチュエーションを考慮して選ぶことが重要です。
AirPodsシリーズの今後の進化は
AirPodsについては2024年、そしてAirPods Proについては2025年に新しいモデルが登場すると噂されています。
AirPods Pro(第2世代)については、次世代モデルの登場までまだ時間がかかりそうですから、今のタイミングで購入してまったく問題ないでしょう。
しかし、AIrPods(第3世代)についてはもう少し時期を見計らっても良いかもしれません。
新しいAirPodsシリーズの噂に関する詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。