Apple Watchはここ数年、「手首の健康デバイス」として大きな進化を遂げてきました。心拍数の常時計測、心電図(ECG)、血中酸素ウェルネス、皮膚温センサー、睡眠時無呼吸の通知など、日常の小さな変化を見逃さない機能が次々と追加されています。
その一方で、以前から根強いのが「Apple Watchで血圧は測れないの?」という声。病院や家庭用の血圧計に頼らず、腕時計ひとつで血圧がわかれば…と考えたことのある人は少なくないはずです。
結論から言えば、2025年現在もApple Watch単体で血圧の数値を直接測定することはできません。
しかし朗報があります!Appleは2025年秋に「高血圧アラート(Hypertension Notifications)」という新しい仕組みを導入しました。
ここでは、Apple独自の高血圧検知の特徴と仕組み、対応モデル、そして便利な血圧管理アイテムを徹底的に解説します。
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Apple Watchで血圧測定はできないけれど、「高血圧アラート」で兆候を知らせてくれる

「血圧を数値で表示することはできない」──その制約を逆手にとったのが、この高血圧アラート機能です。光学式心拍センサーから得られるデータを30日間かけて解析し、血管が心拍に応じてどう反応しているかをチェック。もし高血圧の兆候が一貫して見られる場合、ユーザーに通知を送ってくれます。
つまり「血圧が140/90を超えました」と数値を示すのではなく、高血圧が慢性的に続いている可能性があることを知らせてくれるのです。これまで「血圧は病院か家庭用の血圧計で測るもの」という常識を、日常的なアラート通知へと置き換えてくれる。これがApple流のアプローチなんですね。
特に高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるほど自覚症状が少なく、心筋梗塞や脳卒中の大きなリスク要因でありながら、診断されていない人が非常に多いのが現状。Appleによれば、この通知機能によって初年度だけで100万人以上が「未診断の高血圧」に気づける可能性があるとされています。
高血圧アラートの性能は?
気になるのは「本当に信用できるの?」という点。Appleはこの新機能のために、10万人以上が参加した研究データを使って機械学習でアルゴリズムを開発し、さらに2,000人以上を対象にした臨床試験で精度を検証しています。
もちろん、これだけで医師の診断が不要になるわけではありません。通知を受けた場合は、サードパーティの血圧計で7日間の記録を取り、その結果を医師と共有することが推奨されています。これはアメリカ心臓協会の最新ガイドラインにも沿ったもの。つまり、Apple Watchは「診断ツール」ではなく、「早期の気づきを与えるデバイス」としての役割を果たすわけです。
高血圧アラートはどのモデルで使える?
この機能は、最新のApple Watch Ultra 3だけでなく、Series 9以降、Ultra 2以降のモデルでも、watchOS 26へのアップデートによって利用できるようになります。FDAをはじめとした規制当局の承認も進んでおり、米国・EUを含む150以上の国と地域で提供予定です。
つまり、UltraシリーズやSeries 11を買わなくても、Series 9以降を持っている人なら手元のデバイスで使える可能性が高いということ。これは既存ユーザーにとっても嬉しいニュースですね。
高血圧アラートに対応するApple Watch一覧
- Apple Watch Series 9
- Apple Watch Series 10
- Apple Watch Series 11
- Apple Watch Ultra 2
- Apple Watch Ultra 3


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Apple Watchで血圧を管理する方法|外部血圧計とのアプリ連携
では実際に「高血圧アラートの通知が来たらどうすればいい?」「血圧の数値をどう測ればいいの?」というと、ここで外部の血圧計が活躍します。Apple Watch単体では血圧の数値を測れませんが、Bluetooth対応の血圧計をiPhoneに連携すれば、測定データをiPhoneに自動記録できます。
その結果、Apple Watchが収集している心拍数や睡眠データと、外部血圧計で測った血圧データをAppleのヘルスケアアプリでまとめて一元管理できるようになります。毎日の体調の変化を「点」ではなく「線」で見られるようになるのは大きなメリット。
次のステップとしては、信頼できる血圧計を選ぶこと。ここでは、Apple Watchユーザーと相性の良い代表的な血圧計を3つご紹介します。
Omron(オムロン)の血圧計
オムロン 上腕式血圧計 HEM-7600シリーズ ブラック HEM-7600T-BK
医療機器メーカーとして国内外で信頼されているオムロン。専用アプリ「OMRON connect」を通じて測定データをヘルスケアアプリに自動保存できます。精度が高いのはもちろん、日本での普及率が非常に高くサポート体制も安心。最近はスタイリッシュなデザインのモデルも登場しており、部屋に置いたときに違和感が少ない点も魅力です。
アイリスオーヤマの血圧計
家電メーカーとして知られるアイリスオーヤマが、医療機器メーカーA&Dと共同開発したモデル。信頼性のある測定精度を確保しつつ、ワンボタンで測れるシンプルさが魅力です。Bluetooth対応で、専用アプリ「ウェルネスノート」と連携すればデータを自動保存。血圧の推移をグラフで確認できるので、日々の記録を自然に続けられます。
CITIZEN(シチズン) の血圧計
時計ブランドとして有名なシチズンは医療機器としての血圧計も高い評価を得ています。特にCHUH904Cは上腕式ならではの安定した測定精度が強み。Bluetooth対応モデルのため、測定データをiPhoneに送信し、ヘルスケアアプリに反映できます。大型ディスプレイで結果が見やすく、家族で共有しながら使える点も魅力。信頼性と操作性を兼ね備えたモデルとして、毎日の習慣に取り入れやすい一台です。
まとめ|血圧の数値は測れないけれど、危険の兆候を知らせてくれる
Apple Watchは2025年の進化で「血圧の数値は出せない」という課題を完全に解決したわけではありません。しかし、高血圧の兆候を通知してくれるだけでも日常の安心感は大きく変わります。
「血圧が気になるけれど、普段は測る習慣がない」「健康診断の結果に不安がある」「病院に行くほどではないけれど、ちょっと気をつけたい」──そんな人にとって、高血圧アラートはまさにライフスタイルに寄り添うヘルスケア機能になるはずです。
Apple Watchは、ただの時計でも、ただの通知デバイスでもなくなりました。これからは「体の変化を先回りして教えてくれる、頼れるパートナー」としての存在感をますます強めていきそうです。
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