AppleのiPadシリーズ最新機種は、M4チップを搭載したiPad Pro、M2チップを搭載したiPad Air、そしてA14およびA15チップを搭載したiPad 10およびiPad miniと、幅広いラインナップが揃っています。それぞれのモデルには特徴があり、用途に応じた選び方が重要です。
この記事では、各モデルのスペックを比較し、あなたにはどのiPadが最適か、具体的な使用目的のイメージとともに解説します。
パフォーマンス比較
最新モデルのiPadシリーズは、パフォーマンスに大きな差があります。
特に、2024年に登場したばかりのM4チップを搭載したiPad Proは、CPUやGPUの性能が他のモデルを大きく上回ります。同じく2024年に新登場したM2チップ搭載のiPad Airも9-core GPUを搭載しており、データ処理力はiPadシリーズ最高峰レベルです。
モデル | iPad Pro | iPad Air | iPad 10 | iPad mini |
---|---|---|---|---|
チップ | M4 | M2 | A14 Bionic | A15 Bionic |
CPU | 9 / 10-core | 8-core | 6-core | 6-core |
GPU | 10-core | 9-core | 4-core | 5-core |
メモリ | 8GB / 16GB | 8GB | 4GB | 4GB |
ストレージ | 256GB〜2TB | 128GB〜1TB | 64GB / 256GB | 64GB / 256GB |
iPad ProとiPad Airの特徴
M4チップは、M2チップに比べて50%高速なCPU性能と4倍速いGPU性能を誇り、特にプロユースに適しています。
例えば、動画編集や、複雑な画像編集、多数のファイルを同時に使ったマルチタスクなどをする場合、M4チップを搭載したiPad Proを選ぶのが好ましいでしょう。
一方で、画像編集はしたいけど動画編集はしないという場合や、ウェブ会議や勉強に使いたいという場合、M2チップ搭載のiPad Airを選ぶのがコストパフォーマンスに優れた選択肢といえます。
2024年に登場したiPad ProとiPad Airは、どちらも内側カメラの位置が「横向きに置いたときの中央」に変更されました。つまり、カメラがウェブ会議に適した位置となったため、自分の顔を写してウェブ会議に参加する機会が多い方は、iPad ProまたはiPad Airがおすすめです。
iPad 10とiPad miniの特徴
また、iPad 10やiPad miniのA14/A15 Bionicチップは、日常的に動画やウェブサイトを見たり、軽いゲームで遊ぶためには十分な性能を発揮します。
iPad 10は、主にインターネット閲覧や動画視聴など、コンテンツ視聴に使うことがメインの方におすすめです。お子さんや高齢の方向けのプレゼントにもぴったりです。
ディスプレイの違い
新しいiPad Proは、「Ultra Retina XDRディスプレイ」として、初めてTandem OLED技術を採用しています。これにより、より鮮やかな色の表現が可能になりました。
モデル | iPad Pro | iPad Air | iPad 10 | iPad mini |
---|---|---|---|---|
サイズ | 13インチ / 11インチ | 12.9インチ / 10.86インチ | 10.9インチ | 8.3インチ |
解像度 | 2752 x 2064 / 2420 x 1668 | 2732 x 2048 / 2360 x 1640 | 2360 x 1640 | 2266 x 1488 |
画素密度 | 264 PPI | 264 PPI | 264 PPI | 326 PPI |
最大輝度 | 1600 nits (HDR) / 1000 nits (SDR) | 600 nits (SDR) | 500 nits (SDR) | 500 nits (SDR) |
ディスプレイ技術 | OLED | LED | LED | LED |
Proモデルは、映画制作やプロフェッショナルなデザインワークに最適なディスプレイ性能を実現しています。
一方で、iPad Air、iPad 10、iPad miniモデルでも、日常的な使用には十分以上に美しい映像を楽しめます。
デザインとサイズの比較
2024年のiPad Proは、これまでで最も薄いApple製品として、11インチモデルは5.3mm、13インチモデルは5.1mmの厚さを誇ります。一方で、iPad miniは最も軽量で、携帯性に優れています。
モデル | iPad Pro 13″ | iPad Pro 11″ | iPad Air 13″ | iPad Air 11″ | iPad 10 | iPad mini |
---|---|---|---|---|---|---|
高さ | 281.6 mm | 249.7 mm | 280.6 mm | 247.6 mm | 248.6 mm | 195.4 mm |
幅 | 215.5 mm | 177.5 mm | 214.9 mm | 178.5 mm | 179.5 mm | 134.8 mm |
厚さ | 5.1 mm | 5.3 mm | 6.1 mm | 6.1 mm | 7 mm | 6.3 mm |
重量 | 582 g | 446 g | 618 g | 462 g | 477 g | 293 g |
参考までに、紙の「A4サイズ」は297×210mm、「B5サイズ」は257×182mmです。
13インチのiPad Pro/AirはA4サイズより少し小さく、11インチのiPad Pro/AirはB5サイズより少し小さい、とイメージするとわかりやすいかもしれません。
また、iPad 10は11インチとほぼ同じ大きさのため、B5用紙より少し小さいサイズ感です。iPad miniについては、A5〜A6用紙のあいだくらいの大きさで、「手のひらサイズ」といえます。
周辺機器・アクセサリー
新しいiPad ProとAirは、新しいMagic Keyboardの種類を除いてほぼ同じ周辺機器を使うことができます。例えば、Apple Pencil Proを使用できるほか、USB-CタイプのApple Pencilにも対応しています。
一方で、iPad 10とiPad miniについては対応機器が異なるので注意が必要です。
以下の表に、iPad Pro、iPad Air、iPad 10、iPad miniの各モデルの機能と対応アクセサリーをまとめました:
機能 | iPad Pro | iPad Air | iPad 10 | iPad mini |
---|---|---|---|---|
Apple Pencil Pro | ○ | ○ | × | × |
Apple Pencil(第2世代) | × | × | × | ○ |
Apple Pencil USB-C | ○ | ○ | ○ | ○ |
Magic Keyboard | 黒 13″ / 11″ 白 13″ / 11″ | 黒 13″ / 11″ 白 13″ / 11″ | × | × |
Magic Keyboard Folio | × | × | ○ | × |
SIM | eSIMのみ | eSIMのみ | eSIMとnano-SIM | eSIMとnano-SIM |
Thunderbolt | ○ | × | × | × |
Face ID | ○ | × | × | × |
Touch ID | × | ○ | ○ | ○ |
最も大きな違いがあるのはApple Pencilの対応機種です。
Apple Pencilを購入する時は、自分が使うiPadがどのApple Pencilに対応しているのか、必ず確認しましょう。USB-CタイプのApple Pencilはすべての機種で使えますが、Apple Pencil Proが使えるのは2024年発売のiPad ProとiPad Airのみです。
なお、Apple公式によると、iPad Air用のMagic Keyboardは、第3世代から第6世代までのiPad Pro(12.9インチ / 11インチ)用Magic Keyboardとまったく同じ製品です。Amazonの製品ページでは「iPad Air」の記載がない場合もあり戸惑うかもしれませんが、「iPad Pro 第3/4/5/6世代対応」と記載があれば、最新のiPad Airで使うことができます。
さらに、iPad Pro以外の機種では顔認証のFace IDが使えず、指紋認証のTouch IDを使う必要があります。実際の使い心地には大きな影響が出ないかもしれませんが、こちらも注意が必要です。
価格とストレージ
価格とストレージ容量は、各モデルで異なります。
iPad Proはプロ向けの性能をもつ高価格帯モデルですが、そこまでの性能を必要としない場合、iPad AirやiPad miniはコストパフォーマンスに優れているのがわかりますね。
iPad miniやiPad 10は、エントリーモデルとして手頃な価格でありながら、十分なストレージがあります。
モデル | iPad Pro 13″/11″ | iPad Air 13″/11″ | iPad 10 | iPad mini |
---|---|---|---|---|
64GB | – | – | 58,800円 | 84,800円 |
128GB | – | 128,800円 / 98,800円 | – | – |
256GB | 218,800円 / 168,800円 | 144,800円 / 114,800円 | 84,800円 | 106,434円 |
512GB | 254,800円 / 204,800円 | 180,800円 / 150,800円 | – | – |
1TB | 322,800円 / 272,800円 | 216,800円 / 186,800円 | – | – |
2TB | 390,800円 / 340,800円 | – | – | – |
まとめ:どのiPadを選ぶべき?
あなたがどのiPadを選ぶべきかは、使用目的や予算によって見極める必要があります。
もしプロユースや高性能を求めるなら、M4チップを搭載したiPad Proが最適です。一方で、日常的な使用や学習用途であればiPad AirやiPad、携帯性ならiPad miniが優れています。
1. iPad Pro:高性能を求めるユーザー向け
- ビジネスユーザー
AppleのPages、Keynote、NumbersやMicrosoft Officeなどの作業系アプリをマルチタスクで利用し、iPadをノートパソコン代わりに使うビジネスパーソンに適しています。特に、Pro専用のMagic Keyboardとの組み合わせで、効率的なドキュメント作成やプレゼンテーションの準備が可能です。 - デザイナーやイラストレーター
iPad Proは、Apple Pencilとの組み合わせで非常に高精度な描画が可能です。Adobe PhotoshopやProcreateといったクリエイティブソフトウェアのフル活用ができるため、デジタルアートやグラフィックデザインを行うユーザーには最適です。 - 動画編集者
高性能なMチップを搭載しているiPad Proは、4Kビデオ編集や複数トラックの音声編集にも対応しています。外出先での編集作業やクライアントとのミーティングにも活用できるため、ビデオクリエイターにとっては間違いなく強力なツールになるでしょう。
2. iPad Air:バランスを求めるユーザー向け
- 大学生や研究者
iPad Airは、軽量で持ち運びがしやすく、パワフルな性能を持っています。Apple Pencil Proにも対応しており、講義中のノート作成や論文執筆、資料の注釈付けに最適です。また、オンライン授業やリモート会議にもスムーズに対応できます。 - 趣味でクリエイティブ活動をするユーザー
iPad Airは、趣味としてデジタルイラストや写真編集を楽しむユーザーにも向いています。iPad Proほどの性能は不要でも、一定程度のパワーを求めるユーザーには、このモデルが理想的です。 - ファミリーユーザー
家族で共有しやすい価格帯と性能を兼ね備えているため、iPad Airは家族全員が使えるデバイスとしても人気があります。親が仕事や勉強に使う一方で、子どもがゲームや教育アプリを楽しむこともできます。
3. iPad 10:コンテンツ視聴や学習を楽しみたいユーザー向け
- 初めてiPadを購入するユーザー
iPad 10は、リーズナブルな価格ながら、十分な性能を持っています。初めてタブレットを購入する人や、iPadを使った学習やエンターテインメントを楽しみたい人に適しています。 - 学生
予算に限りがある学生にとって、iPad 10はコストパフォーマンスが高く、授業のノート取りやリサーチ、宿題をこなすのに十分な性能を持っています。USB-CタイプのApple Pencilにも対応しており、手書きメモやイラストの作成も可能です。 - 一般家庭向け
iPad 10は、コンテンツ視聴を楽しむためのタブレットとして最適です。インターネット閲覧や動画視聴をするのにぴったりで、子どもの教育アプリ、家族の写真アルバムとしても活躍します。
4. iPad mini:コンパクトさと携帯性を求めるユーザー向け
- 出張や外回りが多いビジネスパーソン
出張が多いビジネスパーソンにとって、iPad miniは非常に便利です。小型で軽量なため、会議中のメモ取りや、メールのチェック、資料の閲覧が簡単に行えます。小さなバッグにも収まりやすく、軽いため、外出時の持ち運びに最適です。 - 読書好きなユーザー
iPad miniは、電子書籍リーダーとしても優れています。コンパクトなサイズは片手で持ちやすく、長時間の読書でも疲れにくいです。さらに、雑誌やマンガ、PDF資料の閲覧にも適しています。 - 旅行好きなユーザー
iPad miniのサイズ感は、旅行中に地図を確認したり、旅行計画を立てたりする際に便利です。大きすぎず、小さすぎないサイズで、カフェや飛行機の中でも使いやすいです。また、撮影した写真やビデオを簡単に確認できる点も魅力です。
それぞれのiPadモデルは、見た目も中身もスタイリッシュな最高のプロダクトです。自分の使用目的やライフスタイルに合わせて、ぴったりなiPadを選びましょう。