Appleは、AirPods Pro(第2世代)に新しいヒアリングヘルス関連の機能を追加することを発表しました。これにより、日常生活の「聴く」体験がより快適で安全なものとなります。
特に注目されているのは、「臨床グレード」補聴器機能の導入で、この機能はiOS 18.2のアップデートによってAirPods Pro 2に追加される予定で、2023年末までにリリースされる見込みです。
今回は、これらの新機能の詳細とその活用方法について詳しく解説します。
1. 聴覚保護モードの強化で騒音環境も安心
まず、Appleは新しい聴覚保護モードを導入します。この機能はデフォルトで有効になっており、周囲の騒音が大きい環境でノイズキャンセリングを自動的に強化します。例えば、繁華街や交通量の多い場所では、AirPods Pro 2が外部の音を遮断し、耳への負担を軽減します。
近年増えている「ヘッドホン・イヤホン難聴」では、長時間にわたり大きな音を聴き続けることで耳の中の細胞が傷つけられ、徐々に聴力が失われていきます。
AirPods Proの新しい機能を使うことで、長時間の移動や作業中でも、耳にできるかぎり負担をかけずに音楽や動画を楽しむことができるでしょう。
2. 臨床グレードの補聴器機能とは?
今回のアップデートの目玉となるのが、「臨床グレード」の補聴器機能です。この機能は、FDA(米国食品医薬品局)や他の規制当局の認証を受ける予定で、医療用の補聴器としても利用可能な高精度な機能を提供するといいます。
聴覚テストの実施とカスタムプロファイルの作成
まず、ユーザーはAirPods Pro 2とiPhoneを使って、臨床的に認証された聴覚テストを自宅で実施します。テストは5分以内に完了し、結果はHealthアプリに保存されます。テスト結果をもとに、聴覚プロファイルが自動的に作成され、ユーザーの耳の状態に合わせた音質調整が行われます。
この機能により、それぞれのユーザーに合った音声体験が可能となり、日常の会話や音楽、動画などの音声がよりクリアに聞こえるようになります。
補聴器モードの適用
聴覚テストで聴力低下が検出された場合、「補聴器モード」が利用可能になります。このモードでは、周囲の音が聞き取りやすくなり、会話や環境音をクリアに聞くことができます。
これにより、日常的に音の聞き取りに不便を感じているユーザーにも大きな助けとなりそうです。
3. 対応国と今後の展開
Appleは、この新機能を100カ国以上で展開する予定です。現在、FDAなどの規制当局の認証を受けるための手続きが進行中で、認証が完了すれば、無料のソフトウェアアップデートとして提供される予定です。
4. 日常生活での活用方法
この新機能は、特に以下のようなシチュエーションで役立つことが考えられるでしょう。
- 公共交通機関での利用:騒がしい電車やバスの中でも、聴覚保護モードが騒音を低減し、耳への負担を軽減します。
- 騒音のある場所での会話:補聴器モードを使用すれば、周囲の会話がよりはっきりと聞こえるようになります。
- 映画館やコンサートでの使用:自分の聴覚プロファイルに合わせて音質を調整することで、音楽や映画の音声がよりリアルに感じられます。
まとめ
AirPods Pro 2に新たに追加される「臨床グレード」補聴器機能と聴覚保護モードは、ユーザーの聴覚体験を大幅に向上させる革新的な機能となりそうです。これらの機能は、音楽や通話の品質を向上させるだけでなく、耳の健康を守るための重要な役割も果たします。
AirPods Pro 2をお持ちの方は、このアップデートを活用して、「聴く」体験をさらに楽しみましょう!