楽天モバイルをiPhoneで使うことを考えたとき、真っ先に浮かぶのは「ちゃんとつながるのか」という点かもしれません。料金の安さは魅力でも、肝心の電波が不安定では意味がないですよね。
筆者は iPhoneに楽天モバイルのeSIMを設定 して、約5年半メイン回線として使ってきました。結論から言えば、日常生活の範囲で困る場面はほとんどなく、あるとすれば特定のビルや地下街に限られています。
ただし、2026年9月にひとつの転換点があります。KDDI(au)から借りているパートナー回線の提供が、9月30日で終了予定なのです。これは特に地方や山間部で使う人にとって、契約判断を左右する変化になるはずです。
この記事では、実際に使ってきた体感を率直にお伝えしたうえで、これから契約する人が確認しておくべき点を整理します。
5年半使った率直な感想
まず電波について、使ってきた実感としては、 場所による差はあるものの、生活圏の95%では困らない、という状況でした 。
安定して使えた場面を挙げると、東京メトロは駅構内でもトンネル内でも問題なく通信できます。移動中の地図アプリやメッセージのやり取りで困ったことはありません。東海道新幹線の東京〜名古屋間では、動画がやや途切れる場面はあるものの、基本的な通信は支障なく使えます。都市部のオフィス街や住宅街では、常に快適な速度を維持しています。
一方で注意したい場面もあります。山間部や海沿いの観光地では、屋外でも電波が弱くなることがあり、高所やトンネル付近では圏外になることもありました。鉄筋コンクリート造の大型商業施設や地下フロアでは、楽天回線が弱くなる場合があります。
とはいえ、「都市部なら安心、地方は厳しい」と単純には言い切れないのが正直なところです。同じ市内でも場所によって差が出ます。
2026年9月30日、パートナー回線が終了する
ここが今、最も重要なポイントです。
楽天モバイルは自社の電波が届かない場所で、KDDI(au)から借りた回線を使ってきました。これがパートナー回線です。山間部や地方で「楽天回線エリア外」になったとき、自動的にau回線に切り替わることで通信を維持してきました。
このローミング提供が、2026年9月30日で終了する予定です。
何が変わるのか
都市部への影響は限定的と見られています。 楽天モバイルの自社回線整備は進んでおり、人口カバー率は2023年時点で99.9%に達しています 。2024年6月からはプラチナバンド(700MHz帯)の提供も始まり、屋内や地下での接続性は以前より改善しました。
問題は地方や山間部です。これらの地域では現在もパートナー回線に依存している場所が残っており、ローミングが終了すると圏外になる可能性があります。
楽天モバイルは2026年第4四半期に衛星通信サービス(AST SpaceMobile提携)の開始を予定しており、これで補う構想を示しています。ただし衛星通信は帯域幅の制約から大容量通信には向かず、すぐに現状と同じ使い勝手になるとは限りません。
まだ確定ではない
補足しておくと、両社の協議は現在も継続中で、延長の可能性も残されています。KDDI側は「当初の役割は終えた」という姿勢を示す一方、楽天側は延長を希望するニュアンスを見せています。
現時点で言えるのは、9月末という期限が設定されている以上、地方で使う予定の人は契約前に自分の生活圏を確認しておくべきということです。都市部中心の使い方であれば、過度に心配する必要はないでしょう。
契約前に必ずやること
電波の話をまとめると、結局のところ自分の行動範囲がどうかに尽きます。
楽天モバイル公式のエリアマップ で、自宅・職場・よく行く場所の3つは最低限確認しておきましょう。住所を入力してピンポイントで調べられます。
このとき、楽天回線エリアなのかパートナー回線エリアなのかを見ておくことが、今は特に重要です。パートナー回線に頼っている場所であれば、9月以降に状況が変わる可能性があります。
不安が残る場合は、デュアルSIMで試すという方法もあります。今の回線を残したまま楽天モバイルを追加し、実際の使い勝手を確かめてから判断する形です。iPhoneならeSIMと物理SIMの併用ができるので、この使い方に向いています。
iPhoneでの使い勝手
eSIMなら即日開通できる
iPhoneはeSIMに対応しているので、SIMカードの到着を待つ必要がありません 。申し込み後すぐに開通でき、QRコードを読み取るだけで設定が完了します。
eSIMの利点は開通の早さだけではありません。複数の回線を1台のiPhoneで切り替えられるので、サブ回線との併用や海外渡航時にも便利です。楽天モバイルはmy 楽天モバイルからeSIMの発行・再発行が簡単にできるので、機種変更のときも手間がかかりません。
通話はRakuten Linkで無料
Rakuten Linkアプリを使えば、国内通話は時間制限なしで無料 です。何分話しても料金はかかりません。
ただし アプリを使わずOS標準の電話アプリで発信すると、30秒22円がかかります 。無料になるのはRakuten Link経由の発信だけなので、ここは意識しておく必要があります。
また、0570から始まる番号や104の番号案内など、一部対象外の番号があります。
iOSではRakuten Linkのメッセージ機能に制限があり、アプリ同士でのやり取りに限られます。それ以外はiOS標準のメッセージアプリを使う形になります。
テザリングは無料で無制限
テザリングは申し込み不要、追加料金なしで使えます 。iPadやMacをiPhone経由でネットにつなぐ使い方でも、容量を気にする必要がありません。
データ無制限プランと組み合わせれば、自宅に固定回線を引かずにテザリングだけで済ませるという選択もできます。筆者も外出先でMacBookを使うときは、迷わずテザリングを使っています。
ただしテザリングで大量に通信すれば、その分プランの段階が上がって料金も上がります。3GBまで1,078円、20GBまで2,178円、それ以上は3,278円という 段階制の料金 なので、使った分だけ請求される仕組みです。
Apple Watchとの連携
楽天モバイルは 電話番号シェアサービス(月額550円) を提供しています。これを使うとiPhoneとApple Watchで同じ電話番号を共有でき、iPhoneを持たずに出かけてもApple Watch単体で通信できます。
対応するのは Apple Watch Series 3以降のセルラーモデル です。GPSモデルでは利用できないので、購入時に注意しましょう。
ランニングや近所への買い物など、iPhoneを持ち歩かない場面で通知を受け取れるのは便利です。筆者もこの使い方をしていますが、外出時の身軽さが変わります。
見落としやすい注意点
ここで重要な制約があります。Apple Watch版のRakuten Linkアプリは存在しません。
つまりApple Watch単体から発信すると、Rakuten Linkの無料通話が使えず、30秒22円の通話料がかかります。着信を受けるだけなら料金はかかりませんが、Watchから電話をかける習慣がある人は注意が必要でしょう。
「楽天モバイルは通話無料」という前提でApple Watchを使うと、想定外の請求になる可能性があります。ペアリングしているiPhone側では通常通りRakuten Linkが使えるので、発信はiPhoneから行うのが無難です。
楽天経済圏との相性
楽天市場をよく使う人にとっては、通信費以外の恩恵もあります。 楽天モバイルを契約していると楽天市場での買い物がポイント5倍 になり、実質的な負担が下がります。
ただし要エントリーで、毎月の獲得上限は2,000ポイント。付与されるのは期間限定ポイントです。
こんな人に向いている
| 判断軸 | 向いている | 向いていない |
|---|---|---|
| 生活圏 | 都市部が中心 | 山間部・地方が中心 |
| データ使用量 | 月によって変動する | 毎月一定で少量 |
| 通話 | Rakuten Linkを使える | 標準アプリで発信したい |
| 楽天経済圏 | 楽天市場をよく使う | 楽天サービスを使わない |
| リスク許容度 | 多少の不安定さを許容できる | 常に確実な接続が必要 |
都市部での利用が中心で、多少の場所差を許容できる人であれば、コストパフォーマンスはかなり高い と思います。テザリング無制限とデータ無制限の組み合わせは、他社にはない使い勝手です。
一方、地方や山間部での利用が中心なら、9月のローミング終了を見極めてから判断するか、デュアルSIMで併用する形が安全でしょう。
選び方
都市部でデータを多く使うなら|メイン回線として
テザリングも含めて容量を気にせず使えるので、 Rakuten最強プラン をメイン回線にする価値があります。使わない月は自動的に安くなるのも無駄がありません。
電波が不安なら|デュアルSIMで試す
今の回線を残したまま、 楽天モバイルをサブ回線 として追加する方法です。iPhoneならeSIMと物理SIMを併用できるので、実際の使い勝手を確かめてから移行を判断できます。
Apple Watchを使うなら|電話番号シェアサービス
月額550円でApple Watch単体の通信ができます 。ただし発信時はRakuten Linkが使えず通話料がかかるので、着信中心の使い方に向いています。
地方が生活圏なら|9月以降の状況を確認してから
パートナー回線に依存しているエリアであれば、ローミング終了の影響を受ける可能性があります。 エリアマップ で確認したうえで、慎重に判断しましょう。
よくある質問
楽天モバイルはiPhoneで問題なく使える?
使えます。 iPhoneはeSIMに対応しているので、申し込み後すぐに開通できます 。テザリングも無料で無制限に使え、通話も Rakuten Linkで無料 です。ただし電波状況は場所によって差があるので、契約前にエリアマップで自分の生活圏を確認しておきましょう。
Rakuten Linkの通話は何分まで無料?
時間制限はありません。何分話しても国内通話は無料です 。ただしRakuten Linkアプリを使った発信に限られ、OS標準の電話アプリからかけると30秒22円がかかります。0570から始まる番号など、一部対象外の番号もあります。
パートナー回線が終了したらどうなる?
楽天回線のエリア内であれば影響はありません 。パートナー回線に依存しているエリアでは、圏外になる可能性があります。ただし両社の協議は継続中で、延長の可能性も残されています。地方での利用を考えている場合は、エリアマップでパートナー回線エリアかどうかを確認しておきましょう。
Apple Watch単体で通話すると料金はかかる?
かかります。Apple Watch版のRakuten Linkアプリが存在しないため、Watch単体からの発信には30秒22円の通話料が発生します。着信を受けるだけなら無料です。発信はペアリングしているiPhoneから行うほうが無駄がありません。
テザリングに制限はある?
申し込み不要、追加料金なしで使えます。容量の制限もありません。ただしテザリングで使った分はプランのデータ利用量に加算されるので、使いすぎれば料金の段階が上がります。
電波が悪かったら解約できる?
契約から一定期間内の解約では手数料が発生する場合がありますが、一般的な違約金はありません。不安な場合は、今の回線を残したままデュアルSIMで試してから移行を判断する方法もあります。
まとめ|都市部なら十分、地方は9月を見極めて
- 5年半使った実感として、都市部の日常利用で困る場面はほとんどない
- 2026年9月30日にKDDIのパートナー回線が終了予定(協議は継続中)
- 地方・山間部で使う人は、契約前にエリアマップの確認が必須
- Rakuten Linkの国内通話は時間無制限で無料、標準アプリだと有料
- Apple Watch単体からの発信は通話料がかかる
楽天モバイルをiPhoneで使う判断は、自分の生活圏がどこかでほぼ決まります。都市部が中心なら、料金とデータ量のバランスは他社にない水準です。テザリング無制限も含めて、使い勝手は高いと思います。
一方で、2026年9月のパートナー回線終了は、地方で使う人にとって無視できない変化です。まだ確定ではありませんが、期限が設定されている以上、契約前の確認は欠かせません。
どちらの立場でも、まずはエリアマップで自分の行動範囲を調べるところから始めましょう。そのうえで不安が残るなら、デュアルSIMで試してから決めても遅くありません。
料金プランの詳細については、こちらの記事でまとめています。
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