作業中のMacBookが、前触れもなく落ちる。でも電源を入れ直すと、何事もなかったように起動する──。そんな場合の定番とされる「option+command+P+R」のNVRAMリセットについて、AppleはAppleシリコン搭載のMacには適用されないと明記しています。M1以降で押しても何も起きません。
ではどうすればいいのでしょうか?Appleが原因として挙げているのは、インストールされているソフトウェアか、接続されているデバイスです。この記事では、5つの原因を順に切り分けて、対処法をわかりやすく解説していきます。
まず確認|「落ちた」のか「再起動した」のか
同じ「急に落ちる」でも、症状によって疑う場所は変わります。手がかりは、次に電源を入れたときの画面に表示されます。
| 症状 | 画面に出るもの | 主に疑う場所 |
|---|---|---|
| 予期しないシステム終了 | 何も出ずに電源が切れたまま | バッテリー・電源供給 |
| 予期しない再起動 | 「問題が起きたため、コンピュータを再起動しました」 | ソフトウェア・接続デバイス |
| 起動しない | Appleロゴで止まる、または電源が入らない | ストレージ・ロジックボード |
「問題が起きたため〜」というメッセージが出るタイプは、macOSが自力で復帰できない問題を検出したときに表示されるものです。Appleはこの現象について、原因はMacにインストールされているソフトウェアか、Macに接続されているデバイスであることが通常だとしています。この場合、バッテリーを交換しても解決しません。
さらにAppleは、そうした問題があるせいで起動のたびに再起動が繰り返され、最終的にMacがシステム終了することがあるとも説明しています。つまり「落ちた」ように見えても、出発点は再起動のほうにあるケースが混ざっています。
作業前に|自分のMacがAppleシリコンかIntelか
- 画面左上のAppleメニューから「このMacについて」を選ぶ
- 「チップ」と表示され、Apple M1やM4などの名前が続いていればAppleシリコン搭載機
- 「プロセッサ」と表示され、Intel Coreの名前が続いていればIntel搭載機
Intel Macは2020年を最後に新モデルが登場していません。ただし在庫品や中古を買った場合、年式と中身が一致しないこともあります。買った時期からの推測はあてになりません。
なお現行のmacOS Tahoe 26は、Intel Macに対応する最後のmacOSです。AppleはWWDC 2025でこの方針を発表しており、macOS 27以降はApple Silicon搭載機のみが対象になります。Intel Macには今後3年間、セキュリティアップデートが提供される予定です。
チップ別|リセット系操作の対応表
| 操作 | Appleシリコン搭載Mac | T2チップ搭載のIntel Mac | T2非搭載のIntel Mac |
|---|---|---|---|
| NVRAM/PRAMリセット | 手順が適用されない(リセット不要) | option+command+P+Rを20秒ほど長押し | option+command+P+Rを20秒ほど長押し |
| SMCリセット | 再起動またはシステム終了だけで自動的に実行される | 電源ボタン10秒長押し。改善しなければ4キー同時押し | 左shift+control+option+電源ボタンを10秒 |
| Apple Diagnostics | 電源ボタン長押し→「オプション」→command+D | 起動直後にDまたはoption+D | 起動直後にDまたはoption+D |
| セーフモード | 電源ボタン長押し→起動ディスク選択→shiftを押しながら「セーフモードで続ける」 | 起動直後にshift | 起動直後にshift |
Appleの「Mac の起動時のキーコンビネーション」でも、option+command+P+RやDキーはIntel搭載Macの項目にのみ掲載されています。Appleシリコン搭載Macの項目にあるのは、電源ボタンを押し続けて起動オプション画面を出す操作だけです。
SMCについても、Appleシリコン搭載Macは電源に接続した状態で再起動するか、システム終了して電源を入れ直すだけとされています。これだけでSMCは自動的にリセットされるので、ほかに何かする必要はありません。
つまり、Appleシリコン機で調子が悪いときは、いったんシステム終了して電源を入れ直す。昔でいうNVRAMリセットやSMCリセットに当たるのは、この操作だけです。
原因1|バッテリーの劣化と電源まわりのトラブル
残量がまだ30%あるのに突然落ちる、電源に挿していないと使えない、といった症状はここに該当します。
バッテリーの状態を確認する
- Appleメニューから「システム設定」を選ぶ
- サイドバーの「バッテリー」をクリックする
- 「バッテリーの状態」の表示を確認する
現行のmacOSで表示されるのは、次の2つのいずれかです。
- 正常:バッテリーは正常に機能している
- 修理サービス推奨:蓄電容量が新品時と比べて少なくなっているか、正常に機能していない
「修理サービス推奨」が出ていても、そのまま使い続けて安全性の問題はないとAppleは説明しています。基本的には慌てて交換する必要はないので、不便を感じるようになってから動けば十分です。
また、「バッテリーの状態」の項目自体が表示されない場合は、MacのモデルまたはmacOSのバージョンが古く、この機能が搭載されていない状態です。
その場合はoptionキーを押しながらメニューバーのバッテリーアイコンをクリックすると、「間もなく交換」「今すぐ交換」「バッテリーの交換修理」といった表記で状態が報告されることがあります。
電源アダプタとケーブルを見直す
見落とされやすいのがアダプタのワット数です。Appleは、アダプタの定格が必要なワット数を下回っていると、充電に時間がかかったり確実に充電されなかったりすると説明しています。
- Apple認定の電源アダプタを使っているか
- Macに必要なワット数を満たしているか
- ケーブルを別のものに替えると症状が変わるか
- システム終了し、蓋を閉めて30秒待ってから充電し直すとどうか
高負荷の作業中はバッテリーからの持ち出しが増えるため、W数の足りないアダプタでは供給が追いつきません。外部ディスプレイやハブを同時につないでいるときは特に差が出やすいところです。筆者の場合も、電源まわりの構成を変えたタイミングで挙動が変わった経験が何度かあります。
Intel搭載Macで充電されない症状が続くなら、SMCのリセットが役に立つことがあります。Appleシリコン搭載機では、前述のとおりシステム終了して入れ直すだけで同じ効果が得られます。
バッテリー交換に出すときの注意
Apple製品1年限定保証では、欠陥のあるバッテリーの交換が保証対象になります。MacノートブックのAppleCare Protection Planに加入している場合は、バッテリーが本来の容量の80%未満しか維持できなくなったときに無償で交換されます。未加入であれば有償です。
交換はApple正規サービスプロバイダ、Apple Store直営店、またはApple純正部品を扱う独立系修理プロバイダに依頼するのがベストです。
Appleは、未熟な個人による修理やApple純正部品以外を使った修理では機器が損傷するおそれがあり、そうした損傷に保証は適用されないとしています。非正規修理は安価ですが、目先の費用だけでなく、慎重に判断したいところですね。
原因2|macOSやアプリの不具合
「問題が起きたため、コンピュータを再起動しました」というメッセージが出るタイプは、ほぼここが不具合の原因になります。
利用可能なアップデートをすべて適用する
Appleが最初に案内しているのがこれです。システム設定の「一般」から「ソフトウェアアップデート」を開いて、出ているものを当てていきます。
Appleはセーフモードの解説ページで、macOSと他社製アプリのアップデートをインストールするだけで、ほかのどの方法よりも問題を解決できる可能性があると書いています。実際には、ここで終わるケースはかなり多いはずです。
macOSは2026年7月28日にmacOS Tahoe 26.6が公開されており、バグ修正とセキュリティアップデートが含まれています。特定のバージョンで起きていた不具合が、次のアップデートで解消している例は珍しくありません。
原因として疑われるアプリを外す
再起動の原因として疑われるアプリがある場合、macOSが「ゴミ箱に入れる」かどうかを尋ねるメッセージを表示することがあります。心当たりがあるなら削除して、開発元にアップデートが出ていないか見てみましょう。
セーフモードで原因を切り分ける
セーフモードで起動すると、macOSに必要とされないログイン項目や機能拡張、macOS標準以外のフォントが読み込まれません。あわせて起動ディスクの基本的なチェックが実行され、フォントキャッシュやカーネルキャッシュもクリアされます。ここで症状が出なくなれば、原因は標準以外のソフトウェアにあると絞り込めます。
Appleシリコン搭載Macでの手順
- Macの電源が切れていることを確認する(通常どおり終了できない場合は電源ボタンを10秒ほど長押し)
- 電源ボタンを長押しし、「起動オプションを読み込み中」または「オプション」アイコンが表示されたら放す
- 起動ディスク(名前を変えていなければ「Macintosh HD」)を選ぶ
- shiftキーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックする
Intel搭載Macでの手順
- 電源を入れるか再起動した直後にshiftキーを押し、起動中は押し続ける
- ログインウインドウが表示されたらshiftキーを放す
セーフモードで起動していれば、ログインウインドウの右上隅に赤い文字で「セーフブート」と表示されることがあります。確実に判定したい場合は、optionキーを押しながらAppleメニューから「システム情報」を選び、「ソフトウェア」の概要で「起動モード:セーフ」になっているか確認しましょう。
セーフモードで問題が起きなかった場合は、通常どおり再起動したうえで症状が再発するか確認します。再発するなら、原因はセーフモードで読み込まれなかったログイン項目やソフトウェアです。Appleは次の順で切り分けるよう案内しています。
- システム設定でログイン項目を削除し、Macを再起動する
- 「ユーザとグループ」で新しいユーザアカウントを追加し、そちらにログインしてテストする
- それでも解決しなければmacOSを再インストールする
なおセーフモードでは、ビデオキャプチャやグラフィックスのパフォーマンス、ファイル共有、Wi-Fi、オーディオデバイス、USBやThunderbolt接続のデバイスなどが正常に動作しない場合があります。セーフモードで不便を感じるのは仕様です。切り分けが終わったら、普通に再起動して抜けましょう。
なおIntel搭載Macでファームウェアパスワードを使っていると、そもそもセーフモードで起動できません。先に知っておくと無駄に悩まずに済むはずです。
macOSを再インストールする
ソフトウェア側の対処として、Appleが最後に挙げているのがmacOSの再インストールです。Appleは再インストールしても個人用のファイルは削除されないと説明しています。とはいえ時間はかかりますし、事前のバックアップだけは省かないほうがいいでしょう。
原因3|熱と設置環境
高負荷の作業中だけ落ちる、膝の上や布団の上で使っているときに落ちる、といったパターンです。
Appleは、Macノートブックが一定温度を超えると自動的にシャットダウンする、という説明を公式サポートには掲載していません。公開されているのは、動作時温度の適正範囲と、温度を管理するための使い方です。
そのうえで、Appleが示している条件は次のとおりです。
- 周辺温度が10℃〜35℃の場所で使う
- 相対湿度は0%〜95%(結露しないこと)
- 駐車中の車内に放置しない
- 通気の良い、安定した作業台の上で使う
- ベッドの中、枕の上、寝具類の下では使わない
- キーボードの上に物を置かない、通気孔に何も入れない
- Apple認定の電源アダプタを使う
Macノートブックは本体内部の温度変化を検知するセンサーを内蔵しており、ファンを搭載したモデルでは自動的にファンが作動して主要な部品を冷却します。
負荷の高いプロセスを確認する
集中演算を要するタスクを実行していないのに熱を帯びる場合や、ファンが長時間回り続ける場合、Appleはアクティビティモニタでの確認を案内しています。
- Finderから「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「アクティビティモニタ」を開く
- CPUのアクティビティを確認し、過負荷状態になっているプロセスがないか調べる
- 不要なものは終了させる
それでも解決しない場合は、蓋を閉じてから再び開けるか、Macを再起動します。Intel搭載Macの場合はSMCのリセットも選択肢に入ります。
温度を計測する他社製アプリについて、Appleは外部ケースの温度しか測れず、ハードウェアの診断に頼るべきではないと明言しています。数字を眺めて不安になるくらいなら、公式の手順で切り分けたほうが早いでしょう。
正直なところ、熱を突然落ちる直接の原因だと断定できる材料は乏しいというのが正直なところではあります。ただ、高負荷時は消費電力も増えるので、原因1の電源供給とセットで見直す価値はあるのではないでしょうか。
原因4|外部デバイス・ハブ・ドックの影響
周辺機器をすべて外して再現を待つ
- Macをシステム終了する
- 外付けドライブ、プリンタ、ハブ、ディスプレイなど周辺機器をすべて取り外す
- Macの電源を入れ、いつも症状が出るくらいのタイミングまで通常どおり使い続ける
これで症状が出なくなったら、デバイスを1台ずつ接続し直しては再テストする。これを繰り返して原因を絞り込みます。地道な作業ですが、ここを飛ばすと結局あとでやり直すことになります。
外しても症状が変わらないなら、周辺機器は原因ではありません。そのままApple Diagnosticsに進みましょう。
ハブやドックを見直すときの考え方
Appleが公式に示しているのは、Apple認定の電源アダプタを使うことと、必要なワット数を満たすことです。ハブの選び方そのものに公式な基準はありませんが、この2点から逆算すれば見当はつきます。
外部ディスプレイや外付けSSDを常用しているなら、電源アダプタを別途つなげるセルフパワータイプのほうが本体側の負担は小さくなります。USB-C接続でMac本体への給電も兼ねているなら、パススルー給電で本体に届くW数がカタログ値より下がることもあります。
原因5|ハードウェアの故障
ここまでの手順で改善しない場合は、内部の部品を疑う段階です。
Apple Diagnosticsで診断する
実行前に、Appleは次の準備を案内しています。
- 最新のmacOSアップデートを適用しておく
- Macをシステム終了する(通常どおり終了できない場合は電源ボタンを10秒ほど長押し)
- キーボード、マウス、ディスプレイ、Ethernet、AC電源以外の外付けデバイスをすべて取り外す
- 適度に換気された、固くて平坦で安定した作業面にMacを置く
Appleシリコン搭載Macの起動手順
- 電源ボタン(Touch ID搭載機はTouch ID)を長押しする
- 「オプション」と表示されたら指を放す
- Macが再起動するまで「command(⌘)+D」を押し続ける
Intel搭載Macの起動手順
- 電源を入れ、すぐに「D」キーを長押しする
- 反応しない場合は「option(⌥)+D」で試す
- 進行状況バーか言語選択画面が出たらキーを放す
macOS Tahoe 26以降では、内蔵ディスプレイ・キーボード・トラックパッドなど実行する診断項目を自分で選ぶ形式に変わりました。以前は自動的に選ばれていた部分なので、久しぶりに実行すると少し戸惑うはずです。
インターネットに接続していない場合はWi-Fiの選択を求められます。利用規約の確認とともにオフライン実行の選択肢が出ることもあり、その場合は「オフラインで実行」を選んで問題ありません。
診断結果の読み方
テストが終わると結果が表示されます。問題が検出された場合はリファレンスコードが出るので、修理相談の際に伝えられるよう必ずメモしておきましょう。Apple正規サービスプロバイダ、Apple Store直営店、独立系修理プロバイダのいずれに持ち込む場合も、このコードを伝えると手続きがスムーズに進みます。
また、注意しておきたいのは、問題が検出されなかったからといって、故障していないとは限らないことです。Apple Diagnosticsはあくまで「問題の原因として疑われるコンポーネントの特定に役立てる」ためのツールです。症状が続くようなら、検出結果がどうであれ正規サポートに相談したほうがいいでしょう。
症状別|どこから手をつけるか
高負荷の作業中に落ちるなら|電源供給と設置環境から確認する
動画の書き出しやゲーム中に限って落ちるパターンです。アクティビティモニタでCPUのアクティビティを見て、アダプタのワット数と設置環境を見直します。周辺温度が35℃を超える環境で使っていないかも、ついでに確認しておきましょう。
残量があるのに落ちるなら|バッテリーの状態を確認する
表示上は30%以上あるのに突然切れるなら、蓄電容量の低下が疑われます。システム設定の「バッテリー」で状態を確認し、「修理サービス推奨」が出ていれば交換を検討するのがよいでしょう。
特定のアプリを使うと落ちるなら|セーフモードで切り分ける
再現条件がはっきりしているなら、ソフトウェア側の可能性が濃厚です。macOSと他社製アプリを最新にしたうえで、セーフモードでも症状が出るか試してみましょう。
ハブや外部ディスプレイ接続時に落ちるなら|周辺機器をすべて外す
接続構成を変えたタイミングと症状の発生時期が重なっているなら、まずすべて外して再現を待ちます。原因の機器が分かったら、給電方式やアダプタのW数を見直しましょう。
何をしても落ちるなら|診断してから修理を相談する
周辺機器を外した状態でApple Diagnosticsを実行し、リファレンスコードを控えたうえで正規サービスに相談します。保証期間内であれば、自分で分解する前に必ずサポートへ持っていくのが重要です。
事前の備えが超重要
原因の特定には時間がかかりますし、その間も落ちるリスクは残ったままです。並行して、失っても困らない状態をつくっておきましょう。
Time Machineは、過去24時間分は1時間ごと、過去1か月分は1日ごと、それ以前はすべての月について1週間ごとのバックアップを自動的に作成します。バックアップディスクの容量がいっぱいになると、一番古いものから削除される仕組みです。macOS Ventura以降であれば、Time Machine設定の「オプション」からバックアップ頻度を変更できます。
外付けドライブをつないでいないときも、Time Machineは起動ディスクのスナップショットを約1時間おきに1個保存し、24時間保管しています。突然落ちた直後でも、直前の状態に戻せる可能性はここに残っています。
- Time Machineで外付けドライブへ自動バックアップを取る
- iCloud Driveの「デスクトップと書類フォルダ」を有効にする
- 作業中のアプリで自動保存が効いているか確認する
- 重要な作業の前後は手動でも保存する
原因の切り分けより先に、バックアップを済ませておく。macOSの再インストールまで進む可能性を考えれば、順番は間違いなくこちらが先でしょう。
環境を整えるのに役立つアイテム
発熱が気になるなら|ノートPCスタンド
Appleが挙げている条件は、通気の良い安定した作業台の上で使うこと、そしてベッドの中や枕の上、寝具類の下では使わないことです。スタンドは、この条件を机の上で満たしやすくするための道具になります。
選ぶなら角度調整ができて、体重をかけてもたわまない金属製が無難でしょう。樹脂製の安価なものは天板がしなってMacが不安定になりますし、底面との隙間も稼げません。
ただし落ちる症状そのものを解決する道具ではありません。熱が原因だという切り分けが済んでいない段階で買っても、おそらく症状は変わらないはずです。
給電不足が疑われるなら|USB-C電源アダプタ
Appleは、アダプタの定格が必要なワット数を下回っていると充電に時間がかかったり確実に充電されなかったりすると説明しています。Apple認定の電源アダプタを使うことも、あわせて条件に挙げられています。
目安はMacが必要とするW数以上。GaNを採用した製品なら、同じW数でも旧来の充電器よりかなり小型です。持ち運ぶ機会が多いなら、この差は大きいと思います。
注意したいのは、W数が足りないと充電が追いつかず、電源につないでいるのにバッテリーが減っていく状態になる点です。高負荷の作業中や外部ディスプレイを同時につないでいるときほど、この差ははっきり出ます。
周辺機器が多いなら|セルフパワーUSB-Cハブ
外部ディスプレイや外付けSSDを常用しているなら、電源アダプタを別途つなげるセルフパワータイプのほうがMac本体の負担は小さくなります。バスパワーのハブに機器をまとめてぶら下げる構成より、電源まわりの見通しが良くなるはずです。
注意点は、パススルー給電で本体に届くW数がカタログ値より下がることがあるところ。表記のW数をそのまま当てにせず、少し余裕を持たせた製品を選ぶと安心です。
ハブやドックは製品ごとの当たり外れが大きい分野でもあります。AnkerやBelkinのように、対応機種の情報を細かく出しているメーカーから選んだほうが失敗は少ないでしょう。
バックアップ環境がないなら|外付けSSD
Time Machine用のバックアップ先です。容量の目安は本体容量の2倍以上。世代を残していく仕組みなので、同容量では早々に足りなくなります。
これは原因を解決する道具ではなく、原因を探している間に失うものを減らすための保険です。突然落ちる症状が出ている時点で、故障そのものは防げないという前提で用意しておくものと考えておくのがいいでしょう。
よくある質問
電源が落ちたあとに作業中のデータは戻せる?
アプリによります。macOSの自動保存に対応したアプリなら、次回起動時に直前の状態を復元することがあります。加えてTime Machineは、外付けドライブをつないでいなくても起動ディスクのスナップショットを約1時間おきに保存し24時間保管しているため、ここから戻せる場合もあります。
「問題が起きたため、コンピュータを再起動しました」と出るのは故障?
必ずしも故障ではありません。Appleによると、通常はインストールされているソフトウェアか接続されているデバイスによるものだとのことです。macOSと他社製アプリのアップデート、セーフモードでの切り分け、周辺機器の取り外し。この順に試してみましょう。
PRAMリセットを試したいけれど反応しない
Appleシリコン搭載のMacを使用しているから、という可能性が高いです。AppleはNVRAMのリセット手順がAppleシリコン搭載Macには適用されず、リセットする必要もないと明記しています。代わりにシステム終了してから電源を入れ直しましょう。それがSMCリセットに当たります。
バッテリーの最大容量が何%になったら交換すべき?
明確な基準はありませんが、システム設定に「修理サービス推奨」と表示されたら1つの目安です。AppleCare Protection Plan加入中で本来の容量の80%未満になっていれば、無償で交換されます。表示が「正常」のままなら、容量の数字だけで慌てて交換する必要はないでしょう。
何度で強制シャットダウンする?
Appleは温度によるシャットダウンのしきい値を公表していません。公開されているのは、周辺温度10℃〜35℃で使うこと、通気の良い安定した作業台の上で使うこと、ベッドや枕の上、寝具類の下では使わないことといった使用条件です。特定の温度を挙げた解説を見かけても、公式情報ではないと思っておいたほうがいいでしょう。
冷却台を使えば落ちなくなる?
落ちる症状が止まる保証はありません。Appleが示しているのは通気の良い安定した場所で使うという条件までで、冷却製品が突然の電源断を防ぐという説明はありません。設置環境を整える道具と考えて、原因の切り分けは別に進めましょう。
サードパーティ製のバッテリー診断アプリや温度計測アプリは信用できる?
Appleはどちらについても注意を促しています。バッテリー系のアプリは精度を欠くことがあり、温度計測アプリは外部ケースの温度しか測れないため、ハードウェアの診断に頼るべきではないとしています。判断材料としては、macOSの表示とApple Diagnosticsを優先したほうが確実です。
修理に出す前にやっておくことは?
バックアップの作成、Apple Diagnosticsの実行とリファレンスコードの記録、症状が出る条件のメモ(時間帯、使用アプリ、接続機器、バッテリー残量)です。再現条件を伝えられると診断がスムーズに進みます。
まとめ|切り分けの順番さえ間違えなければ、原因は絞り込める
- 予期しない再起動やシステム終了の原因はソフトウェアと接続デバイスが通常で、切り分けはこの2つから始める
- option+command+P+RのNVRAMリセットはAppleシリコン搭載Macには適用されず、システム終了して入れ直すことがSMCリセットに相当する
- バッテリーの状態の表示は「正常」と「修理サービス推奨」の2種類で、サードパーティ製アプリよりmacOSの表示を優先する
- Appleは温度によるシャットダウンのしきい値を公表しておらず、公開されているのは周辺温度10℃〜35℃という使用条件まで
- 周辺機器をすべて外しても落ちるならApple Diagnosticsを実行し、リファレンスコードを控えて正規サービスに相談する
MacBookが突然落ちるとき、多くの人がいきなりリセット操作や修理を検討します。けれどAppleが挙げている原因はソフトウェアと接続デバイスで、順番を守って切り分けていけば、費用をかけずに解決するケースが相当な割合を占めます。
最初にやるべきは、自分のMacがAppleシリコンかIntelかを見分けること。ここを間違えると、そもそも適用されない手順を延々と試すはめになります。次にバックアップ。あとは症状に合った入口から順に確認していけば十分です。
それでも改善しないときは、無理に自力で粘らず正規サービスへ。診断結果のリファレンスコードと再現条件を持っていきましょう。
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