AirPods 4には無印とアクティブノイズキャンセリング搭載モデルの2種類があり、名前は近いのに機能の差はかなり大きく開いています。そこにAirPods Pro 3を加えた3モデルは、搭載チップこそ同じH2で揃っていますが、価格は23,800円から42,800円まで並びます。
違いを生んでいるのは耳をふさぐ構造と、Pro 3だけが持つセンサー類です。あとは、耳をふさぐ感覚が平気かどうか。それぞれの特徴と違いをしっかり見ていきましょう。
AirPods 4とAirPods Pro 3の違い一覧
| 比較項目 | AirPods 4 | アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4 | AirPods Pro 3 |
|---|---|---|---|
| 外観 | ![]() | ![]() | ![]() |
| 形状 | オープンイヤー型 | オープンイヤー型 | インイヤー型(イヤーチップ5サイズ) |
| チップ | H2 | H2 | H2 |
| アクティブノイズキャンセリング | × | ○ | ○(Pro 2比で最大2倍) |
| 外部音取り込みモード | × | ○ | ○ |
| 適応型オーディオ | × | ○ | ○ |
| 会話感知 | × | ○ | ○ |
| 空間オーディオ | ○ | ○ | ○ |
| ロスレスオーディオ | × | × | × |
| 心拍数センサー | × | × | ○ |
| ヒアリングチェック・ヒアリング補助 | × | × | ○ |
| ライブ翻訳 | × | ○ | ○ |
| 再生時間(本体のみ) | 最大5時間 | 最大5時間(ANC使用時4時間) | 最大8時間(ANC使用時) |
| 再生時間(ケース込み) | 最大30時間 | 最大30時間(ANC使用時20時間) | 最大24時間 |
| 防塵・耐水 | IP54 | IP54 | IP57 |
| 充電ケース | USB-Cのみ | ワイヤレス充電+スピーカー搭載 | MagSafe+スピーカー+ストラップループ |
| 操作 | 感圧センサー | 感圧センサー | タッチコントロール(スワイプで音量調節) |
| 重量(片側) | 4.3g | 4.3g | 5.55g |
| 価格 | 23,800円 | 32,800円 | 42,800円 |
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同じ「AirPods 4」という名前でも、無印とアクティブノイズキャンセリング搭載モデルは機能の差がかなり大きいという点が、この表でいちばん見落とされやすいところだと思います。
価格差はいくらか|9,000円ずつの段差になっている
現在のApple公式価格は、AirPods 4が23,800円、アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4が32,800円、AirPods Pro 3が42,800円です。
無印からANC搭載モデルへが9,000円、ANC搭載モデルからPro 3へが10,000円。ほぼ均等な段差が並んでいて、上に行くほど何が増えるのかが分かりやすい価格設定になっています。
いずれのモデルもUSB-C充電ケーブルは同梱されていません。手持ちのケーブルで足りることがほとんどですが、初めてApple製品を買う人は別途用意する必要があります。
ノイズキャンセリングの差はどれくらいあるか
無印のAirPods 4にはノイズキャンセリングがない
まず押さえておきたいのが、無印のAirPods 4はアクティブノイズキャンセリングを搭載していないという点です。それだけでなく、外部音取り込みモード・適応型オーディオ・会話感知も非対応で、ノイズコントロール系の機能はまるごと省かれています。
このモデルは「AirPods(第3世代)の正統進化版」という位置づけで、主役は軽さと装着感、そして空間オーディオです。ノイズ対策を期待して買うと確実に肩透かしになります。
アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4は「耳をふさがないANC」
一方のANC搭載モデルは、耳の穴に差し込まないオープンイヤー型のまま、H2チップとコンピュテーショナルオーディオでノイズを打ち消します。物理的な密閉がない状態でここまで静かになるのは、単純におもしろい技術だと思います。
ただし構造上の限界はあります。低音側のゴーッという連続音(電車の走行音や空調)はかなり削れますが、周囲の話し声や駅のアナウンスのような中高音は残りやすくなります。逆に言えば、アナウンスが聞こえてほしい通勤シーンではちょうどいいバランスでもあります。
AirPods Pro 3の「最大4倍」が比較しているのはAirPods 4
この「4倍」という数字は、比較の相手を確かめずに読むと意味を取り違えます。Appleが示しているのは2種類の数字です。
| 比較対象 | ノイズ低減の倍率 |
|---|---|
| AirPods Pro 2との比較 | 最大2倍 |
| 初代AirPods Pro/アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4との比較 | 最大4倍 |
つまり「最大4倍」の比較対象はPro 2ではなく、初代AirPods ProとANC搭載AirPods 4です。AirPods 4のANCと比べるなら4倍、Pro 2から乗り換えるなら2倍。同じ製品の話でも、どちらの数字を見ているかで印象がまったく変わります。
Pro 3ではイヤーチップがXXSを含む5サイズに増え、シリコーンの内側にフォーム素材の層が入りました。密閉がきちんと取れているかどうかでANCの体感は大きく変わるので、サイズ選びは音質設定より優先度が高いといえそうです。
装着感の違い|オープンイヤーかインイヤーか
| 判断軸 | AirPods 4(無印・ANC搭載) | AirPods Pro 3 |
|---|---|---|
| 耳の中の感覚 | 圧迫感がほとんどない | イヤーチップで密閉される |
| 長時間装着 | 疲れにくい | チップが合わないと疲れやすい |
| 遮音性 | 物理的な遮音はない | 装着した時点で静かになる |
| 落ちにくさ | 耳の形に依存する | チップで固定されて安定する |
| 重量(片側) | 4.3g | 5.55g |
どちらが上という話ではなく、好みがはっきり分かれるところです。カナル型で耳がふさがれる感覚がどうしても苦手という人は一定数いて、その場合はいくらANCが強くてもPro 3を選ぶ理由になりません。
逆にPro 3は、5サイズのチップから合うものを選べば、装着していることを忘れるくらい安定します。ランニングやヨガのような動きのある場面でも外れにくく、IP57の防塵・耐水性能とあわせてワークアウト向きに振ってあるモデルだと感じます。
音質とバッテリー
3モデルとも同じH2チップを積んでいますが、音の傾向は違います。無印とANC搭載のAirPods 4は、耳をふさがない構造上、低音が空気に逃げます。すっきりした鳴り方で、ポッドキャストやボーカル中心の曲との相性は良いです。
Pro 3は音響アーキテクチャが新しくなり、低音の量感とボーカルの分離が一段はっきりしました。密閉されているぶん小さな音量でも情報量が落ちにくく、静かな部屋で音量を絞って聴くときの差はかなり大きいと思います。
なお3モデルともロスレスオーディオには対応していません。AirPodsでロスレスを聴けるのはUSB-C接続のAirPods Max 2だけで、ここは誤解されやすいポイントです。
再生時間はPro 3が頭ひとつ抜けている
| 使い方 | AirPods 4 | ANC搭載AirPods 4 | AirPods Pro 3 |
|---|---|---|---|
| 本体のみ(通常再生) | 最大5時間 | 最大5時間 | 最大8時間(ANC使用時) |
| 本体のみ(ANC使用時) | × | 最大4時間 | 最大8時間 |
| ケース込みの合計 | 最大30時間 | 最大30時間(ANC使用時20時間) | 最大24時間 |
| 5分充電 | 約1時間再生 | 約1時間再生 | 約1時間再生 |
注目したいのは、ANCをオンにしたときの本体駆動時間が4時間と8時間で倍違うという点です。往復の通勤で1日3時間ほど使う人なら、AirPods 4のANC搭載モデルは1日でほぼ使い切る計算になります。
合計時間だけ見るとAirPods 4の30時間が長く見えますが、これはノイズコントロールをオフにした条件での数字です。ANCを常用するなら実質20時間対24時間で、ここでもPro 3が上です。
Pro 3は心拍数センサーを使ったワークアウト中で最大6.5時間、空間オーディオとヘッドトラッキングを有効にすると最大7.5時間と、機能を盛るほど短くなります。それでもAirPods 4のANC使用時を上回るのは素直に強いと思います。
Pro 3だけができること
ワークアウト中の心拍数計測
Pro 3には心拍数センサーが入っていて、フィットネスアプリの50種類のワークアウトで心拍数と消費カロリーを記録できます。iOS 26以降のiPhoneが必要です。
ただし常時計測ではなく、あくまでワークアウト中の使用が前提という点は理解しておきたいところです。Apple Watchのように一日中の心拍傾向を追う用途には向きません。ランニングのときだけ手首に何もつけたくない、という人には気持ちのいい機能です。
聴覚の健康をサポートする機能
Pro 3ではヒアリングチェック(自宅で5分の聴力チェック)、ヒアリング補助機能、大きな音の低減が使えます。AirPods 4は無印・ANC搭載ともに非対応です。
ヒアリング補助は18歳以上で軽度から中程度の難聴が認められる人向けの機能で、AirPods自体は医療機器ではありません。とはいえ42,800円のイヤホンにこの機能が入っているという事実は、家族のことを考えると無視しにくいと思います。
ライブ翻訳は日本語に対応済み
対面の会話をリアルタイムで翻訳するライブ翻訳は、日本語にも対応しています。使えるのはANC搭載AirPods 4とAirPods Pro 2以降で、無印のAirPods 4は対象外です。
利用にはApple Intelligenceを有効にしたiOS 26以降のiPhoneが必要で、現状はベータ版という扱いです。旅行や出張で使う予定があるなら、無印を避ける明確な理由になります。
充電ケースと操作方法の差
| 比較項目 | AirPods 4 | ANC搭載AirPods 4 | AirPods Pro 3 |
|---|---|---|---|
| 充電方式 | USB-Cのみ | USB-C+Qi+Apple Watch充電器 | MagSafe+Qi+Apple Watch充電器+USB-C |
| 「探す」用スピーカー | × | ○ | ○ |
| ストラップループ | × | × | ○(ストラップは別売) |
| ケース重量 | 32.3g | 34.7g | 43.99g |
| 音量操作 | 感圧センサー(本体では不可) | 感圧センサー(本体では不可) | 上下スワイプで調節 |
意外と差が出るのが音量操作です。AirPods 4は軸を押す感圧センサー方式で、音量を変えるにはSiriかiPhone側の操作が必要になります。Pro 3は軸を上下になぞるだけで音量が変わるので、電車の中で音量だけ少し下げたい場面の快適さが違います。
Pro 3のケースには第2世代の超広帯域チップが入っていて、「正確な場所を見つける」機能で探せる距離が1.5倍に伸びました。ただしこの拡張された探索範囲は日本国内では利用できません。国内の規制によるもので、海外を旅行中にiPhone AirまたはiPhone 15以降(iPhone 16eを除く)と組み合わせた場合のみ使えます。
国内で使うぶんには、3モデルのうちAirPods 4のANC搭載モデルとPro 3のケースに入っているスピーカーのほうが実用的です。ソファの隙間に落としたときは、音を鳴らして探せるかどうかで手間がまるで変わります。
筆者が3モデルを使って感じたこと
無印のAirPods 4は、とにかく軽くて何も感じないというのが第一印象でした。自宅やオフィスで長時間つけっぱなしにしても耳が痛くならず、カフェのBGM程度なら気にならずに作業できます。ただ地下鉄に持ち込むと、走行音に音楽がまるごと埋もれます。
ANC搭載モデルは、カナル型ではないのにここまで静かになるのかと素直に驚いた一台です。電車の低い走行音がすっと引いて、駅のアナウンスはうっすら聞こえます。この「全部は消さない」バランスが通勤にはちょうどいいと思いました。一方で飛行機や騒がしい店内では物足りなさが残ります。
そしてPro 3は、装着した瞬間に世界が静かになるタイプです。音楽を再生する前から静けさが来るので、ノイズキャンセリングというより耳栓に音楽機能がついているような感覚に近いです。個人的にいちばん助かっているのは本体8時間のバッテリーで、朝から夕方までケースに戻さず使えるのはかなり快適です。
不満を挙げるなら、長時間つけていると耳の奥が少し疲れることでしょうか。無印AirPods 4のあの無重力感を知っていると、ここは戻れないなと思う日もあります。
買うならどれがいい?
圧迫感が苦手で軽さを最優先するなら|AirPods 4
イヤーチップが耳に入る感覚がどうしても苦手な人、自宅やオフィスなど静かな環境がメインの人には無印のAirPods 4がおすすめです。23,800円という価格も含めて、日常使いの軽さでは3モデルの中でいちばん気楽に扱えます。
ノイズコントロール系の機能がまるごとないことだけは、買う前に必ず確認しておきましょう。
通勤中の静けさもほしいなら|アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4
カナル型は苦手だけれど電車の騒音は抑えたい、という人にぴったりなのがANC搭載のAirPods 4です。ライブ翻訳やワイヤレス充電ケースも使えて、無印との9,000円差の中身はかなり濃いと思います。
ANC使用時の本体4時間という点だけは、使い方によってはネックになるかもしれません。
静けさも機能も全部取りたいなら|AirPods Pro 3
飛行機や新幹線での移動が多い人、ワークアウトで心拍数を取りたい人、聴覚の健康機能に価値を感じる人にはAirPods Pro 3が断然おすすめです。ANCの強さ、8時間のバッテリー、IP57の防塵・耐水と、42,800円ぶんの差は分かりやすい形で返ってきます。
| 判断軸 | AirPods 4 | ANC搭載AirPods 4 | AirPods Pro 3 |
|---|---|---|---|
| こんな人におすすめ | 圧迫感が苦手/静かな場所で使う | 通勤で使う/カナル型が苦手 | 移動が多い/運動する/静けさ重視 |
| 予算 | 23,800円 | 32,800円 | 42,800円 |
| 静けさ | ノイズ低減はなし | 通勤の騒音を抑えられる | 3モデルで最も静か |
| 装着感 | 圧迫感なし | 圧迫感なし | チップで密閉される |
| 機能の多さ | 空間オーディオ中心 | ライブ翻訳まで対応 | 心拍数・聴覚機能まで対応 |
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買う前に知っておきたい注意点
無印のAirPods 4は外部音取り込みモードもありません。ANCがないことは知られていますが、周囲の音を取り込む機能や会話感知も非対応です。
3モデルともロスレスオーディオには対応していません。ワイヤレス接続である以上ここは共通で、AirPodsでロスレスを聴けるのは有線接続のAirPods Max 2だけです。
心拍数センサーはワークアウト中の使用が前提で、iOS 26以降のiPhoneが必要です。日常的な心拍モニタリングを求めるならApple Watchの領域になります。
ライブ翻訳にはApple Intelligenceを有効にできるiPhoneが必要です。対応機種でなければ、ANC搭載AirPods 4やPro 3を買っても使えません。
Pro 3のストラップループにストラップは付属しません。ループ自体はケースに付いていますが、ストラップは別売です。
「正確な場所を見つける」の拡張された探索範囲は日本国内では使えません。国内の規制によるもので、Pro 3のケースが積む超広帯域チップの利点をフルに受けられるのは海外を旅行しているあいだだけです。
イヤーチップは消耗品で、汚れが溜まるとノイズキャンセリングの性能も落ちます。定期的な清掃とチップの交換は、性能を保つうえで思っている以上に大事です。
よくある質問
AirPods 4とAirPods Pro 3で音質はどれくらい違う?
チップはどちらもH2で同じですが、Pro 3は音響設計が新しく、耳を密閉できるぶん低音の量感がはっきり出ます。オープンイヤーのAirPods 4は低音が空気に逃げるため、すっきりした鳴り方になります。静かな場所で聴き比べると差は分かりますが、通勤中の音量では遮音性の差のほうがはるかに大きく感じられます。
無印のAirPods 4でもノイズキャンセリングは使える?
使えません。アクティブノイズキャンセリングが必要なら、32,800円のアクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4かAirPods Pro 3を選ぶ必要があります。名前が似ているので、購入時はモデル名を最後まで確認するのがおすすめです。
AirPods Pro 3はロスレスに対応している?
対応していません。AirPodsでロスレスオーディオを再生できるのは、USB-C有線接続をしたAirPods Max 2だけです。
心拍数センサーはApple Watchの代わりになる?
なりません。Pro 3の心拍数センサーはフィットネスアプリでのワークアウト中に使うもので、一日を通した心拍の記録や睡眠時の計測には対応していません。ランニングのときだけ手首を空けておきたい、といった使い方に向いています。
ライブ翻訳は日本語で使える?
使えます。ただしApple Intelligenceを有効にしたiOS 26以降のiPhoneとのペアリングが条件で、現状はベータ版という扱いです。対象はANC搭載AirPods 4とAirPods Pro 2以降で、無印のAirPods 4では利用できません。
AirPods Pro 3はAndroidでも使える?
Bluetoothヘッドフォンとしては接続できますが、ノイズコントロールの設定、パーソナライズされた空間オーディオ、心拍数計測、ライブ翻訳など、Apple製デバイスとの組み合わせが前提の機能は使えません。Apple製デバイスと組み合わせて初めて価値が出る製品だと考えておくのがよさそうです。
まとめ|耳をふさぐかどうかで、まず半分決まる
- 3モデルとも同じH2チップで、差が出るのは形状とセンサー類
- 無印のAirPods 4はANC・外部音取り込み・ライブ翻訳がすべて非対応
- Pro 3の「最大4倍」はANC搭載AirPods 4との比較、Pro 2比では最大2倍
- ANC使用時の本体バッテリーは4時間と8時間で倍の差
- 心拍数センサーとヒアリング補助はPro 3だけの機能
最初の分岐は、イヤーチップで耳を密閉される感覚に抵抗がないかどうかです。ここが苦手ならPro 3の強力なANCは選択肢から外れ、AirPods 4の2モデルからどちらかを選ぶことになります。
平気な人にとっては、静けさ・バッテリー・センサーのすべてでPro 3が上という分かりやすい構図になります。無印との19,000円差をどう見るかですが、移動時間が長い人ほど回収は早いと思います。迷ったら、自分が一日の中でイヤホンを使う場所を思い浮かべて選んでみましょう。
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