2020年の初代発売から約5年半。Appleのプレミアムヘッドホン「AirPods Max」がついに本格アップデートを果たし、2026年3月16日に「AirPods Max 2」として正式発表されました。
USB-Cへの切り替えだけだった2024年のマイナーアップデートとは異なり、今回はH2チップの搭載を中心に内部が進化しています。一方でデザインや重さは据え置きで、「ハード面の進化は限定的」という評価も出ています。
この記事では、何が変わり、何が変わらなかったのかを整理したうえで、初代からの買い替えを検討している人、初めてAirPods Maxを検討している人にとっての選択肢を解説します。
AirPods Max 2の概要|価格・発売日・カラー
日本での価格は前世代の84,800円から5,000円の値上げとなりました。米国では549ドルのまま据え置きで、円安の影響が直接出た形です。
初代との比較|何が変わったか一目でわかる
| 項目 | 初代AirPods Max | AirPods Max 2 |
|---|---|---|
| 外観 | ![]() | ![]() |
| チップ | H1 | H2 |
| ANC | 通常 | 最大1.5倍向上 |
| アンプ | 標準 | ハイダイナミックレンジアンプ |
| 適応型オーディオ | ✗ | ✓ |
| 会話感知 | ✗ | ✓ |
| 声を分離 | ✗ | ✓ |
| ライブ翻訳 | ✗ | ✓(Apple Intelligence必須) |
| ロスレスオーディオ | ✗(初代)/✓ USB-C有線(2025年〜) | ✓ USB-C有線 |
| カメラリモート | ✗ | ✓ |
| スタジオ品質録音 | ✗ | ✓ |
| 重さ | 約386g | 約386g(変化なし) |
| バッテリー | 最大20時間 | 最大20時間(変化なし) |
| Smart Case | 標準 | 変化なし |
| IP等級 | なし | なし |
| Bluetooth無線ロスレス | 非対応 | 非対応(変化なし) |
| 充電端子 | USB-C | USB-C |
| カラー | ミッドナイト・スターライト・ブルー・パープル・オレンジ | 同一カラーラインナップ |
| 詳細 | ─ | Amazonで見る |
AirPods Max 2の新機能|進化した5つのポイント
H2チップ搭載|内部のアップデート
最大の変化は、H1からH2チップへの進化です。AirPods Pro 2・AirPods Pro 3と同じH2を搭載したことで、より高度なコンピュテーショナルオーディオ処理が可能になりました。チップの世代が変わったことで、後述するAI機能や音質改善がまとめて実現しています。
個人的には、AirPods ProシリーズがH2を搭載してからすでに数年が経っていたので、「ついに来たか」という印象が正直なところです。
ANC性能が最大1.5倍に向上
Appleは「初代AirPods Max比で最大1.5倍のANC性能」を公式に謳っています。飛行機のエンジン音や通勤電車の騒音など、低周波から中周波の環境ノイズをより効果的に遮断できます。
AirPods Maxの初代もノイズキャンセリング性能は高評価でしたが、AirPods Pro 3の「最大4倍」と比較すると数字のうえでは控えめです。
それでも実際の使用シーンでは、オーバーイヤー型の物理的な遮音性と合わさって、かなり快適な遮音環境を作れます。
音質の向上|新アンプとHDAオーディオ
新しいハイダイナミックレンジアンプの採用により、音の歪みを抑えながらより細かいダイナミクスを再現できるようになりました。AirPods Maxが元々持っていたリッチな音像はそのままに、音の分離感と定位がさらに向上しています。
USB-Cケーブル経由の有線接続では、24ビット・48kHz対応のロスレスオーディオと超低レイテンシーも利用できます。
Apple Musicのロスレスカタログをフルで楽しみたい場合や、Logic Proでの音楽制作・編集に使いたい場合には、有線接続の恩恵は大きいです。ただしBluetoothによるワイヤレスでのロスレスは引き続き非対応です。
AI機能の搭載|H2があって初めて使える機能も多数
H2チップの搭載により、これまでAirPods Maxでは使えなかった一連のインテリジェント機能がまとめて利用可能になりました。
適応型オーディオは、周囲の環境に応じてノイズキャンセリングと外音取り込みモードを自動で切り替える機能です。電車に乗っているとき、カフェで作業しているとき、屋外を歩いているとき、いちいち手動で切り替えなくても最適な状態に調整してくれます。
会話感知は、話し始めると音量が自動的に下がる機能です。ヘッドホンをつけたまま店員さんに話しかけたり、隣の人と少し会話したりするシーンで実用的です。
ライブ翻訳は、Apple Intelligenceを有効にした状態でiOS 26.4以降を搭載したiPhoneとペアリングすることで利用できます。外国語の音声をリアルタイムで日本語に翻訳してくれる機能で、海外出張や旅行で活躍します。日本語・英語・中国語・韓国語・フランス語などに対応しています。
声を分離は通話中に自分の声を優先して拾い、背景の雑音をカットするモードです。周囲に雑音がある状態のオンライン会議で重宝する機能で、筆者の経験上これがあるかどうかで通話品質がかなり変わります。
クリエイター向け機能の追加
ポッドキャスターや映像クリエイター向けに、スタジオ品質の音声録音機能とカメラリモート機能が新たに加わりました。
カメラリモートはDigital Crownを押すことでiPhone・iPadの写真やビデオ撮影をコントロールできる機能で、三脚を使った撮影や一人での収録でハンズフリー操作ができます。スタジオ品質の音声録音は、Logic Proなどでの音楽制作ワークフロー全体にAirPods Maxを活用したい音楽クリエイターに向けた機能です。
変わらなかった点|重さやケース、バッテリー
重さは約386gのまま
ソニーやBoseの競合モデルが250g前後であることを考えると、オーバーイヤー型としてもやや重い部類です。長時間の装着で首や肩に疲れを感じやすい点は解消されていません。かなり気になっていた部分なので、これは個人的に少々残念なポイントです。
Smart Caseは改良なし
イヤーカップを覆うだけで保護が限定的なケースは、発売当初から批判が多かった部分ですが、今回も変更はありませんでした。持ち運びには別途ポーチや専用ケースを用意した方がいいでしょう。
バッテリーは最大20時間のまま
ソニーのフラッグシップヘッドホンが30時間超を実現しているなか、20時間という数字は控えめです。一日の通勤・仕事・移動をカバーするには十分ですが、長距離フライトや遠征では充電タイミングを意識する必要があります。
IP等級は非対応のまま
防水・防塵性能がないため、雨の日の使用や激しい運動時には向きません。
初代AirPods Maxからは買い替える価値あり?
買い替えを積極的に検討したいケース
AirPods Max 2の進化は、音質よりも「使い勝手の知性化」に集中しています。適応型オーディオや会話感知・声を分離といったAI機能は、一度使い始めると手放しにくくなるタイプの機能です。筆者の経験上、声を分離のような通話品質の改善は地味に見えて、日常の満足度にかなり直結します。
- 適応型オーディオや会話感知を日常的に使いたい
- 現在Lightning充電のAirPods Maxを使用中でUSB-Cに統一したい
- Logic Proやポッドキャスト制作など、クリエイター用途がある
現行モデルを使い続ける選択肢もある
一方、初代AirPods Maxが音楽を聴くための道具として十分に機能しているなら、急いで買い替える必要はないと思います。
音質そのものは初代も決して低くなく、H2による改善は「劇的な変化」というよりは「底上げ」に近い印象です。
- 主に音楽鑑賞が目的で、音声機能の優先度が低い
- 重さやケースの問題が気になっており、改善を期待している
- 2027年にさらなるモデルが出る可能性を踏まえて待ちたい
後述しますが、2027年には軽量化を主軸としたモデル(AirPods Max 3と見られる)が登場する可能性が指摘されています。デザインや重さを最重視するなら、もう1〜2年待つのもアリです。
2027年には「AirPods Max 3」が登場する?
AirPods Max 2が発売されたばかりですが、次の世代についてもすでに情報が出始めています。
Appleサプライチェーン分析の第一人者であるMing-Chi Kuoは、軽量化を主軸としたAirPods Maxの新モデルが2027年に量産開始される見通しを示唆しています。現行モデルの約386gという重量はユーザーから継続的に指摘されており、Appleもこれを課題として認識しているとみられます。
AirPods Max 2を今すぐ買うか、軽量化モデルを待つか。現行モデルの重さが気になるのであれば、2027〜2028年以降まで待つのもアリでしょう。
よくある質問
AirPods Max 2はワイヤレスでロスレス再生できる?
Bluetooth接続ではロスレス非対応です。24ビット・48kHzのロスレスオーディオは、USB-Cケーブルを使った有線接続時のみ利用できます。
Apple Intelligenceなしでもライブ翻訳は使える?
使えません。ライブ翻訳はApple Intelligenceの有効化とiOS 26.4以降が必要です。また対応言語・地域に制限があります。
初代AirPods Maxとケースやアクセサリーは共用できる?
外観がほぼ同一のため、多くの社外製ケースやスタンドは引き続き使用できます。ただしそれぞれの製品によって異なるため、購入前に確認しておきましょう。
AirPods Max 2は防水対応?
非対応です。IP等級の記載はなく、雨天や運動時の使用には注意が必要です。
まとめ|H2搭載で一回り進化、ただしデザインは据え置き
- AirPods Max 2はH2チップ搭載により、ANC・音質・AI機能が大幅に強化された
- 適応型オーディオ・会話感知・ライブ翻訳など、初代では使えなかった機能がまとめて解禁
- 一方でデザイン・重さ(約386g)・バッテリー(20時間)・Smart Caseは変化なし
- Bluetooth経由のワイヤレスロスレスは今回も非対応
- 日本での価格は89,800円(前世代から5,000円値上げ)
- 2027年には軽量化を主軸としたモデルが登場する可能性あり
初代から買い替えるかどうかは、最新の機能を日常的に使いたいかどうかが一番の判断軸だと思います。ライブ翻訳・声を分離・適応型オーディオを実際に活用するシーンがあるなら、AirPods Max 2を選ぶ意味は十分あります。
ただ重さが気になっている初代ユーザーには、2027年モデルを待つ選択肢もアリです。Appleが重さ問題を解決してくれる日が来れば、それこそが「本当の次世代」になりそうです。
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