Appleが2025年春に発表した「iPad(第11世代)」は、内部にA16 Bionicチップを搭載したことで、一気にパフォーマンスが底上げされた注目モデルです。
見た目は前世代から大きく変わらないものの、中身はまさに別物。エントリー向けという立ち位置ながら、日常使いはもちろん、ちょっとしたクリエイティブ作業まで余裕でこなせる実力を持っています。ここでは、「無印モデル」とも呼ばれるA16搭載iPadの魅力をじっくり掘り下げていきます。
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iPad 第11世代はどう進化した?
iPadのスタンダードモデルは、学生から社会人、子供から高齢者まで幅広い層のユーザーに愛されているベーシックモデルです。
2022年に登場した第10世代は、フラットエッジデザインやUSB-C搭載で進化し、従来よりも使いやすさが大幅に向上しました。さらに2025年3月には第11世代が発売され、基本的な設計を維持しつつ、チップ性能やストレージ構成などが強化されています。以下の表で両モデルの主な違いを整理してみましょう。
iPad 第10世代 vs iPad 第11世代の比較表
項目 | iPad 第10世代 (2022) | iPad 第11世代 (2025) |
---|---|---|
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発売日 | 2022年10月18日 | 2025年3月12日 |
チップ | A14 Bionic(iPhone 12 相当) | A16 Bionic(iPhone 14 Pro相当、性能向上) |
RAM | 4GB | 6GB |
ストレージ(最小) | 64GB | 128GB(倍増) |
ディスプレイ | 10.9インチ Liquid Retina LCD、True Tone/60Hz | 同じ |
設計・サイズ | フラットエッジ、Touch ID内蔵、USB-C | 同じ |
カメラ | 背面12MP/前方12MP(Center Stage) | 同構成 + Smart HDR 4採用 |
その他の接続 | USB-C(USB 2.0)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、5G(Cellular) | 同 Wi-Fi 6 & 5G、Bluetooth 5.3に更新 |
Apple Intelligence対応 | ×(非対応) | ×(非対応) |
バッテリー駆動時間 | 最大約10時間(ビデオ再生) | 同等 |
価格(発売時) | 58,800円(64GB)〜 | 58,800円(128GB)〜 |
第11世代は、外観やディスプレイに大きな変化はないものの、A16 Bionicチップによる性能強化、RAMの増加、最小ストレージの倍増(64GB→128GB)といった実用的な進化が特徴です。
特に価格据え置きで容量が倍増した点は、日常的にアプリやデータを多く使いたいというユーザーにとって大きなメリットだといえるでしょう。
iPad 第11世代の主な特徴5つ|3年越しの進化
特徴①|A16 Bionicで快適さが段違いに

これまでの無印iPadは「ライトユーザー向け」とされることが多かったですが、A16 Bionicの採用によってそのイメージは一新されました。CPU性能の向上に加え、GPUやNeural Engineも強化されているため、アプリの立ち上げや複数タスクの切り替えもサクサク。ブラウジングや動画視聴はもちろん、画像編集や軽めの動画編集まで十分な快適さを実感できます。
特徴②|外観は変わらず、中身は着実に進化

デザイン自体は第10世代から大きな変化がなく、フラットエッジの筐体にTouch ID搭載のトップボタンというおなじみのスタイル。しかし、ストレージが128GBから始まるようになったのは大きな進化です。さらに6GB RAMを備えたことで、複数アプリを立ち上げても動作がもたつきにくくなりました。外観は同じでも、中身はしっかり最新世代にブラッシュアップされています。
特徴③|カメラと接続性も強化
前面・背面ともに12MPカメラを搭載し、ビデオ通話時に被写体を自動で追尾してくれるセンターステージ機能にも対応。リモート会議やオンライン授業でも自然にフレーミングしてくれるのはありがたいところです。さらにUSB-C端子、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3、5G対応(セルラーモデル)と、接続性も盤石。学習から仕事まで幅広いシーンで活躍できます。
特徴④|iPadOS 26でマルチタスクがさらに便利に

2025年夏のアップデートで対応したiPadOS 26では、マルチウィンドウやドラッグ&ドロップといったMacに近い操作感がより強化されました。A16チップとの組み合わせによって、動画を見ながらノートを取る、調べ物をしながら書類を作るといった並行作業もスムーズにこなせます。単なるエントリーモデルの枠を超えて、実用性がぐっと広がった印象です。
特徴⑤|コストパフォーマンスの高さは随一
公式の販売価格は58,800円(税込)。セール時には50,000円前後まで下がることもあり、性能を考えれば破格といえます。競合のタブレットと比べても処理能力・アプリの豊富さ・アクセサリー対応力の三拍子が揃っており、コスパでは群を抜いています。多くのメディアが「いま最もバランスの取れたiPad」と評価しているのも納得です。
iPad 第11世代はどんな人におすすめ?
Apple 11 インチ iPad (A16): 11 インチモデル、Liquid Retina ディスプレイ、128GB、Wi-Fi 6、12MP フロント/12MP バックカメラ、Touch ID、一日中使えるバ ッテリー - シルバー
¥58,800iPad 第11世代は、普段使いからちょっとした作業までを一台でカバーしたい人のエントリーモデルとしておすすめの機種です。A16チップによる処理性能は十分にパワフルで、しかも価格は手頃。普段の生活に自然に溶け込むちょうど良いiPadを探している人には最適です。特に以下のような人に向いています。
おすすめ①|学生や学習用に使いたい人
学習用途において、iPad 第11世代は非常に頼れる存在です。オンライン授業を受けながらノートアプリでメモを取ったり、課題用のレポートを仕上げたりといった作業はもちろん、調べものや資料の閲覧も快適にこなせます。Apple Pencilに対応しているので、板書をそのまま手書きで写したり、図を描いて理解を深めるといった学習スタイルも実現可能。A16チップは処理速度が速いため、重い教材データやマルチタスク操作もストレスなく対応でき、長期的に見ても買い替えのサイクルを先送りできる安心感があります。コストを抑えながら学習用のデバイスを探している方には理想的なモデルです。
おすすめ②|家族や子どもとシェアしたい人
家庭用の共用デバイスとしても、第11世代iPadはぴったりです。子どもが教育アプリで遊んだり学んだり、家族で映画やドラマを楽しんだり、ちょっとした調べものをしたりと、シーンを問わず活躍します。ストレージが128GBからスタートするため、写真やアプリを家族全員で共有しても容量不足になりにくいのも嬉しいポイント。
さらにカメラやスピーカーもパワーアップした性能を備えており、リモートで祖父母とビデオ通話をしたり、リビングで音楽を流したりと幅広く使えます。価格が手頃なので「家族全員で気兼ねなく使えるiPad」としても安心して使うことができ、初めてiPadを購入する人にもおすすめです。
おすすめ③|入門機としてiPadを使ってみたい人
「できるだけ長く快適に使いたいけれど、ハイエンドモデルのように高額な投資は避けたい」という人にとって、第11世代iPadは理想的な答えとなる可能性大です。A16チップはiPhone 14 Pro世代の実績ある高性能チップで、今後数年のiPadOSアップデートにも余裕を持って対応できると見込まれます。つまり購入から長期間にわたって現役として使える安心感もバッチリ。
それでいて価格は5万円台からと、iPad AirやiPad Proと比べて大幅に抑えられています。ストレージ容量やRAMも強化され、エントリーモデルにありがちな「すぐに物足りなくなる」心配が少ない点も魅力。価格と性能のちょうど良い落としどころを探している人にとって、まさにベストバランスの一台です。

逆にiPadの他モデルがおすすめなのはこんな人
iPad 第11世代(A16搭載)はバランスに優れた万能モデルですが、人によっては他のiPadシリーズの方がライフスタイルに合うケースもあります。ここでは、用途別にどのモデルが向いているかを整理しました。
iPad mini(A17 Pro搭載)がおすすめな人
コンパクトさを最優先したい人にはiPad miniが最適です。片手で持てる8.3インチサイズは通勤・通学の電車内やカフェでの使用にぴったり。軽さはもちろん、バッグに入れてもかさばらないため「いつでもどこでも持ち歩きたい」という人に向いています。A17 Proチップを積んでいるので性能面も妥協なく、電子書籍やゲーム、外出先でのノート代わりとして抜群の使いやすさを発揮します。
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iPad Air(M2搭載)がおすすめな人
クリエイティブ作業を本格的にしたいけれど、iPad Proほどの価格は避けたい人にはiPad Airがベスト。M3チップを搭載しているため、イラスト制作、写真編集、動画編集といったクリエイティブ用途にも余裕を持って対応できます。Apple Pencil ProやMagic Keyboardにも対応しているので、学生や社会人の「学習+仕事+趣味」を一台でこなしたい人におすすめです。Airは価格と性能のバランスがよく、長く付き合える中核モデルといえます。

iPad Pro(M4搭載)がおすすめな人
最高の性能を追求したいプロフェッショナル志向のユーザーにはiPad Proがベストの選択肢です。最新のM4チップとOLEDディスプレイによって、クリエイティブツールとしての質は最高峰だといえます。動画編集や3Dモデリング、音楽制作といった高負荷な作業でも快適に動作し、外部モニター接続やアクセサリー活用でMacに近い使い方も可能。価格は最も高額ですが「仕事道具」として選ぶなら投資する価値は十分にあります。

まとめ|ちょうどいい一台を探している人に
iPad(第11世代・A16搭載)は、「高性能が欲しいけれど、iPad Air/Proほどの価格はちょっと…」という人にとって理想的な一台です。学生の学習用、社会人の資料作成やビデオ会議、家族の共有デバイスとしてまで幅広くフィットします。
一方で、より高度なクリエイティブ作業をこなすならiPad AirやiPad Proが適任ですし、コストをさらに抑えたい人は型落ちの第10世代を選ぶのも手です。ですが「最新の機能を手頃に使いたい」「長く安心して使える一台が欲しい」と思うなら、このiPad A16モデルは間違いなく買って後悔しない選択になるでしょう。

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