ソフトバンクから
ワイモバイルへの乗り換えを考えている人はどんどん増えています。同じソフトバンクの回線を使うのに、料金にはっきりした差があるので、なぜそうなるのか疑問に思う人もいるはずです。
答えを先に言うと、ワイモバイルはデータ容量に上限がある代わりに料金を抑えたブランドだからです。回線そのものは同じなので、通信品質に差はありません。
つまり判断軸はシンプルで、月35GBで足りるかどうかという点です。これで、どちらを選ぶべきかはほぼ決まります。
30GB前後で比べるとワイモバイルが2,750円安い
多くの人が該当する30GB前後の使い方で比べます。ソフトバンクには30GB前後のプランがないため、無制限のテイガク無制限と比較する形になります。
| 条件 | 価格差 | ||
|---|---|---|---|
| データ量 | 無制限 | 30GB | |
| 基本料金 | 8,008円 | 4,378円 | 3,630円 |
| 全割引適用後 | 5,148円 | 2,398円 | 2,750円 |
| 詳細 |
年間にすると33,000円の開きになります。
ここで前提を明示しておきます。上の数字はどちらも光回線あり・家族割あり・PayPayカード払いという条件で揃えたものです。ソフトバンクは家族3回線以上での新みんな家族割1,210円、おうち割光セット1,100円、PayPayカード割550円の合計2,860円引き。ワイモバイルはおうち割 光セット(A)1,650円とPayPayカード割330円の合計1,980円引きです。
30GBしか使わない人がソフトバンクを契約すると、無制限の容量を持てあましてしまいます。使わない容量に月2,750円払うことになるので、容量をあまり使わない場合はワイモバイルを選ぶのがいいでしょう。
小容量でもワイモバイルが安い
「少ししか使わないからソフトバンクのミニフィット2で十分」と考える人もいると思います。ところが、ここでもワイモバイルのほうが安く、しかも容量が多くなります。
| プラン | ||
|---|---|---|
| データ量 | 〜2GB | 5GB |
| 基本料金 | 5,258円 | 3,278円 |
| 全割引後 | 3,058円 | 1,298円 |
| 詳細 |
5GB使えるワイモバイルのほうが、2GBのソフトバンクより1,760円安くなっています。容量で2.5倍、料金で半分以下。小容量ユーザーにとって、あえてミニフィット2を選ぶ理由は、ほぼ見当たりません。
ミニフィット2は使った分だけ段階的に上がる従量制で、5GBまで使うと6,358円、全割引後で4,158円になります。ワイモバイルのシンプル3 Sなら同じ5GBが1,298円です。
なお、ミニフィット2の新みんな家族割は550円で、ペイトク2やテイガク無制限の1,210円とは別の金額です。プランによって家族割の額が変わる点は見落としやすいところなので、注意しておきましょう。
ひとり暮らしなら|安くなるのは1年目
ここまでは光回線と家族割がある世帯を前提にしてきました。ひとり暮らしで固定回線もない場合、話が変わります。
ワイモバイルには超!おトク割があり、シンプル3 M/Lなら加入の翌月から12カ月間、基本料から1,100円引かれます。申し込みは不要で自動適用です。
| プラン | 基本料金 | 超!おトク割適用後(12カ月) | 13カ月目以降 |
|---|---|---|---|
| シンプル3 M(30GB) | 4,378円 | 2,948円 | 4,048円 |
| シンプル3 L(35GB) | 5,478円 | 4,048円 | 5,148円 |
上の表はPayPayカード(年会費無料)330円引きを含めた数字です。PayPayカード ゴールドなら770円引きになり、Mが2,508円、Lが3,608円になります。ただしゴールドは年会費11,000円が必要で、月あたり約917円。通信料の割引額との差は月147円ほどなので、カード自体をよく使う人でないと元が取れません。
注意したいのは、超!おトク割は12カ月で終わるという点です。13カ月目からは1,100円上がります。そして超!おトク割は、おうち割 光セット(A)や家族割引サービスと重複適用されません。光回線や家族割がある人は、そちらが優先されて超!おトク割は適用されない形になります。
ひとり暮らしで固定回線がない人にとっては、最初の1年がかなり安くなる仕組みです。ただ2年目以降も見据えるなら、13カ月目の金額で判断したほうがいいでしょう。
ソフトバンクを選ぶ理由は2つ
ここまで見るとワイモバイル一択に思えますが、ソフトバンクにも明確な強みがあります。
データ無制限が必要な場合
ワイモバイルの上限は35GB(シンプル3 L)です。それを超えて使う人には、ワイモバイルという選択肢がありません。
テザリングを日常的に使う、自宅にWi-Fiがなくスマホ回線だけで生活している。こうした使い方なら、テイガク無制限の5,148円が現実的な選択肢になります。
参考までに、ワイモバイルのシンプル3 L(35GB)は全割引後で3,498円。無制限との差は1,650円です。この差額を払って容量の制限をなくすかどうか、という判断になります。
容量を超えたときの挙動も知っておきたいところです。ワイモバイルは規定容量を超えると速度制限がかかり、シンプル3 M/Lは最大1Mbps、Sは最大300kbpsになります。さらに規定容量の半分(M なら15GB)を追加で消費すると、最大128kbpsまで落ちます。1Mbpsなら標準画質の動画は見られますが、128kbpsだとほぼ実用的ではありません。二段階で落ちる仕組みは押さえておきましょう。
PayPayを大量に使う場合
もうひとつがペイトク2の存在です。基本料金は10,538円と高額ですが、PayPay決済で最大10%が還元されます。
全割引後は7,678円。月4万円をPayPayカード ゴールドで決済すれば上限の4,000円相当が戻り、公式が示す実質負担は3,678円です。PayPayの決済額が大きい人なら、ワイモバイルとの差を埋められる可能性があります。
ただし条件は簡単ではありません。10%還元にはPayPayカード ゴールド(年会費11,000円)が必要で、月4万円という決済額も日常の買い物をほぼPayPayに集約している人向けです。加えて還元の対象外が幅広く、通信料そのもの、電気・ガス・水道、病院や調剤薬局、行政サービス、鉄道、各種チャージなどは対象外になります。月4万円のうち何割が実際に対象かは、生活パターン次第でしょう。
筆者の感覚では、この条件を安定して満たせる人はそう多くないと思います。ポイント還元を前提に料金を計算すると、達成できなかった月の割高感が大きくなります。
割引の仕組みは大きく違う
両者とも割引を積み上げる方式ですが、中身はかなり違います。
| 割引 | ソフトバンク | ワイモバイル |
|---|---|---|
| 家族割 | 新みんな家族割 1,210円(ミニフィット2は550円) | 家族割引サービス 1,100円 |
| 光回線 | おうち割光セット 1,100円 | おうち割 光セット(A)1,650円 |
| カード払い | PayPayカード割 550円 | PayPayカード割 330円(ゴールド770円) |
| 併用 | 3つとも併用可 | 家族割・光セット・超!おトク割は併用不可 |
ここは誤解が生まれやすいところなので、しっかり確認しておきましょう。
ソフトバンクは家族割と光セットとカード割を全部適用できます。一方ワイモバイルは、家族割引サービス・おうち割 光セット(A)・超!おトク割・おうち割 でんきセット(E)が互いに重複しません。この4つのうち、割引額が最も大きいもの1つだけが適用されます。PayPayカード割だけは別枠で重ねられます。
つまり光回線があるワイモバイルユーザーは、おうち割1,650円とPayPayカード割330円の合計1,980円が上限です。家族割を足すことも、超!おトク割を足すこともできません。
結果として、家族3回線+光回線が揃う家庭では、ソフトバンクのほうが割引の合計額は大きくなります。それでも基本料金の差がそれを上回るので、最終的な支払額はワイモバイルのほうが安いままです。
通話とサポートの違い
| 項目 | ソフトバンク | ワイモバイル |
|---|---|---|
| 標準の無料通話 | なし | シンプル3 Lのみ10分無料 |
| 通話料 | 30秒22円 | 30秒22円 |
| 短時間かけ放題 | 5分880円 | 10分880円(S/M) |
| 24時間かけ放題 | 1,980円 | 1,980円(S/M)/1,100円(L) |
| 店舗サポート | あり | あり |
通話オプションの料金は近い水準ですが、中身が少し違います。ソフトバンクの準定額オプション+は5分以内、ワイモバイルのだれとでも定額+は10分以内で、どちらも880円。同じ金額ならワイモバイルのほうが条件がいいことになります。
シンプル3 Lだけは10分無料が標準で付き、24時間かけ放題も1,100円と安く設定されています。通話が多い人はこの点を考慮するといいでしょう。
店舗サポートはどちらもあります。ワイモバイルは格安ブランドですが、全国に店舗を持っているので対面での相談が可能です。ここはahamoやLINEMOのようなオンライン専用プランとの大きな違いになります。
乗り換え時の注意点
ソフトバンクからワイモバイルへの変更は「番号移行」という扱いになり、MNP予約番号は不要です。ただし押さえておきたい点があります。
まずキャリアメールです。@softbank.ne.jpを使い続けるには、月額330円の「メールアドレス持ち運び」に申し込む必要があります。乗り換えと同時に手続きしないと使えなくなるので、忘れないようにしましょう。
次に契約解除料。新規契約または番号移行でワイモバイルに加入した場合、回線提供開始月から12カ月以内に解約すると契約解除料がかかります。シンプル3 S/Mは858円、Lは1,100円です。
契約事務手数料も見ておきたいところです。店頭で4,950円、オンラインストアで3,850円かかります。オンラインのほうが1,100円安く済みます。
そして端末代の残債。ソフトバンクで端末を分割購入している場合、乗り換え後も支払いは続きます。新トクするサポートを使っている場合は、返却の条件も確認しておきましょう。
どちらを選ぶべきか
| 判断軸 | ||
|---|---|---|
| データ量 | 35GB超・無制限が必要 | 35GBまでで足りる |
| PayPay | 月4万円以上を対象決済で使う | 普通に使う程度 |
| 光回線 | ソフトバンク光がある | ソフトバンク光がある |
| 家族構成 | 3回線以上 | 2回線以上 |
| ひとり暮らし | 無制限が必要なら | 超!おトク割が使える |
| 詳細 |
多くの人にとってはワイモバイルのほうが合理的だと思います。同じ回線品質、同じ店舗サポートで、料金だけが2,750円安い。35GBで足りるなら、ソフトバンク本体を選ぶ理由は見つけにくいでしょう。
逆に、無制限が必要な人やPayPayを大量に使う人にとっては、ソフトバンクにも意味があります。
選び方
月35GBまでで足りるなら|ワイモバイル シンプル3 M
光回線ありなら全割引で2,398円。ソフトバンクより2,750円安く、回線品質も店舗サポートも変わりません。多くの人にとって、これが最も無駄のない選択でしょう。
小容量で十分なら|ワイモバイル シンプル3 S
5GBで全割引1,298円。ソフトバンクのミニフィット2(2GB・3,058円)より容量が多く、料金は半分以下です。小容量ユーザーには断然おすすめです。
ひとり暮らしで固定回線がないなら|ワイモバイル シンプル3 M
超!おトク割で最初の12カ月は2,948円。家族割も光回線もなくても安くなるのがポイントです。13カ月目から4,048円に上がる点だけ頭に入れておきましょう。
データ無制限が必要なら|ソフトバンク テイガク無制限
全割引で5,148円。ワイモバイルの35GB上限を超えて使う人には、こちらしか選択肢がありません。テザリングを多用する人にもぴったりです。
PayPayを月4万円以上使うなら|ペイトク2
PayPay還元が最大10%。上限4,000円相当が戻るので、決済額が大きい人なら実質負担を抑えられます。ただし対象外の支払いが多いので、自分の使い方が当てはまるか確認してからにしましょう。
よくある質問
ソフトバンクとワイモバイルで電波は変わる?
変わりません。ワイモバイルはソフトバンクの回線をそのまま使うため、通信エリアも速度も同じです。格安SIMのように回線を借りているのではなく、同じ会社が運営する別ブランドという位置づけになります。
乗り換えにMNP予約番号は必要?
不要です。ソフトバンクからワイモバイルへの変更は「番号移行」という扱いで、予約番号を取らずに手続きできます。電話番号もそのまま引き継げます。
ワイモバイルは割引を全部重ねられる?
重ねられません。家族割引サービス・おうち割 光セット(A)・超!おトク割・おうち割 でんきセット(E)は互いに併用不可で、割引額が最も大きいもの1つだけが適用されます。PayPayカード割だけは別枠で重ねられます。ここはソフトバンクと大きく違う点なので、料金を計算するときは注意が必要です。
超!おトク割はいつまで続く?
加入の翌月から12カ月間です。13カ月目からは1,100円上がります。おうち割や家族割が適用されている期間は超!おトク割が停止しますが、12カ月のカウント自体は進んでいきます。
キャリアメールは使える?
月額330円の「メールアドレス持ち運び」に申し込めば、@softbank.ne.jpを使い続けられます。ただし乗り換えと同時に手続きする必要があるので、忘れないようにしましょう。
35GBを超えたらどうなる?
速度制限がかかります。シンプル3 M/Lは最大1Mbps、Sは最大300kbpsです。さらに規定容量の半分を追加で使うと最大128kbpsまで落ちます。1Mbpsなら標準画質の動画は見られますが、頻繁に超えるならソフトバンクの無制限プランを検討したほうがいいでしょう。
店舗で相談できる?
どちらもできます。ワイモバイルは全国に店舗があり、契約手続きや料金の相談を対面で行えます。オンライン専用のahamoやLINEMOとは違い、この点はソフトバンクと変わりません。
まとめ|35GB以内ならワイモバイルが圧倒的に安い
- 30GB相当で比べると
ワイモバイルが2,750円安い
- 小容量でもワイモバイルのほうが容量が多く1,760円安い
- ワイモバイルは家族割・光セット・超!おトク割が併用できない
無制限が必要ならソフトバンクしか選択肢がない
PayPayを月4万円以上使うならペイトク2も検討の余地あり
この比較の結論ははっきりしています。同じ回線、同じサポートで、料金だけが2,750円違うからです。
月35GBまでで足りるなら、ワイモバイルを選ばない理由は見つけにくいでしょう。特に小容量で使う人にとっては、容量が多くて料金が半分以下という関係になります。
ソフトバンク本体を選ぶ意味があるのは、無制限のデータ量が必要な場合か、PayPayの決済額が非常に大きい場合に限られます。自分がそのどちらかに当てはまるかを確認して、当てはまらなければワイモバイルで問題ないはずです。





